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ダイエットが続かない理由は脳にある!?

なぜ空腹をつらいと感じるのでしょうか?なぜダイエットに失敗する人が後を絶たないのでしょうか?ここでは、ドクター監修のもと、食事制限によるダイエットがなかなか続かない原因の解明にせまったアメリカの研究を紹介します。

「痩せたい!」というのは多くの方が願っていることですが、「努力をしても痩せない」「毎回ダイエットに失敗する」という方も多いのではないでしょうか。

そのダイエット、間違っていませんか?

食事による摂取エネルギーが、消費されるエネルギーを上回ると、その分が脂肪となって蓄積されます。そのため、この摂取エネルギーを減らして、体脂肪を減量していくのがダイエットの基本です。だからといって、糖質を極端に制限すると、肝臓は体中から脂肪を収集し、機能障害を防ごうとするため、脂肪肝になってしまうことも。また、例え体重は目標に達しても、肌や体、そしてメンタルに悪影響が現れ、周囲から「イライラしていて付き合いにくい」など、QOL(quality of life/クオリティ・オブ・ライフ)が下がっては本末転倒。

そのようなダイエットを継続することは困難ですし、逆に続けるデメリットの方が多くなってしまい、結局失敗してしまいがちです。

空腹とAGRPニューロンについての研究

ダイエットを思い立ったとき、多くの人がまず取り組むのが食事制限ですが、空腹に耐えるのはなかなか大変なものです。空腹に耐え切れず、ダイエットが続かなかったという人も多いのではないでしょうか?そこで、空腹と摂食行動との関係にせまったアメリカの研究を紹介します。

AGRPニューロンが空腹のつらさを記憶する

脳の視床下部に存在するAGRPニューロンは、体がエネルギー不足に陥ると活性化し、逆に、暴飲暴食によって抑制される神経細胞です。AGRPニューロンが抑制されると摂食行動が抑えられ、活性化すると食べ物を食べたり、食べ物を探したりする行動が誘発されます。

アメリカのハワード・ヒューズ医学研究所の研究チームは、このAGRPニューロンが「空腹はつらい」という経験を記憶に残し、そのつらさを避けるよう仕向けているのではないかと考え、マウスを使った実験を行いました。

彼らはまず、風味だけが違う2種類のエサを用意し、空腹状態ではないマウスにそのエサを自由に食べさせました。その際、片方のエサを食べるときだけ、脳のAGRPニューロンの刺激による空腹感を与えると、その後、マウスはその風味のエサを避けるようになることが観察されました。これは、AGRPニューロンの刺激による空腹感とエサの風味が結びつき、「その風味のエサは避けるべき」という条件が脳に記憶されることを示しています。

次に、前の実験とは逆に、AGRPニューロンを「オフ」の状態にしたマウスを使い、空腹の状態で、ある風味のエサを食べさせました。すると、マウスは空腹だったにもかかわらず、AGRPニューロンの刺激がない状態で食べたそのエサを好むようになりました。マウスのこの行動は、AGRPニューロンを「オフ」の状態にしたことで、空腹の不快感が遮断され、空腹が去ったと勘違いしたことによるものだと考えられます。

食べ物を見ただけでAGRPニューロンは静まる

空腹状態のマウスにおけるAGRPニューロンの活動をモニタリングしたところ、エサを見つけるまでAGRPニューロンは活性状態にありました。AGRPニューロンの活性は、実際にエサを食べなくても、エサを見たり、エサのありかにありついたりするだけで静まったのです。

食べ物がいつでも簡単に手に入る環境にいる人間にとって、AGRPニューロンの出す命令はわずらわしいものですが、食糧の入手が危険と隣り合わせの野生動物にとっては、AGRPニューロンによる「食糧を探させる」命令は必要なものなのかもしれません。

食事制限は続かないようにできている

食事制限による空腹でAGRPニューロンが活性化し、そのときの条件が記憶されることで、それと同じ状態に陥るのを脳が避けるようになる。人間でもこのしくみが同じように働いているのだとしたら、ダイエットが嫌いになるのは仕方のないことなのかもしれません。ダイエット継続には、脳の命令に打ち勝つ強い意志が必要だと言えそうです。

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この記事の監修ドクター
赤坂ビューティークリニック 院長
青山秀和先生

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