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子宮が降りてくる?子宮下垂と子宮脱の基礎知識

多産を経験し、分娩を繰り返してきた女性などに多いといわれる、子宮下垂や子宮脱。
出産後のトラブルが気になるという人だけでなく、現在妊娠中の人や妊娠を希望している人も、知っておくべき病気の一つです。
もし、かかった場合に少しでも早く気づけるよう、子宮下垂や子宮脱の基礎知識を得ておきましょう。

■子宮下垂・子宮脱とは?

子宮下垂とは、子宮が通常の位置よりも下に降りてきてしまった状態をいいます。子宮下垂が進み、膣から外に子宮の全体、もしくは一部が出てしまっている状態を子宮脱といいます。子宮下垂と子宮脱との違いは、子宮が外に出ているか出ていないかです。

子宮脱は、骨盤臓器脱と呼ばれるものの一つです。子宮だけでなく、腸や膀胱、尿道といった臓器が下降して外に出ることがあります。特に更年期以降の女性に多く見られ、出産経験のある女性の約半分が、一生のうちにいずれかの骨盤臓器脱を経験するといわれています。

■子宮下垂・子宮脱の原因は?

なぜ子宮が下がり、膣の外に出たりすることがあるのでしょうか。その原因を見ていきましょう。

 ●出産で靭帯が傷つき、引き伸ばされる

子宮下垂と子宮脱の大きな原因として考えられているのは、経膣分娩です。膣を通って赤ちゃんが産まれてくる普通分娩をとった場合に、骨盤底筋や靱帯(じんたい)が傷ついたり、引き伸ばされたりすることが原因であるといわれています。

出産経験が多いと、靭帯が傷つく機会も増えるため、子宮下垂や子宮脱になりやすいといわれています。

 ●加齢によるエストロゲンの低下

子宮下垂や子宮脱は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌の低下も原因といわれています。エストロゲンは、骨盤底筋を強くすると考えられていますが、加齢によって分泌が減ります。それに伴い、子宮を支える骨盤底筋群がゆるみ、子宮が下降します。

 ●重いものを持ち上げて骨盤に負荷をかける

複数回の出産や加齢による影響で、骨盤底筋群が弱っているところに、さらに負担をかけてしまうと子宮は降りてきやすくなります。例えば、重いものを持ち上げるなどの力仕事などが影響しているといわれます。

■子宮下垂・子宮脱の症状

子宮下垂と子宮脱は下降の度合いによって症状が異なります。それぞれの症状を確認しておきましょう。

 ●子宮下垂の症状

軽度の場合、ほとんど症状がないこともあります。進行すると、以下の症状が見られます。

●下腹部の違和感や不快感

●下腹部の圧迫感

●腰痛

 ●子宮脱の症状

子宮下垂が進むと、子宮脱の症状が出てきます。ただし、これも下に降りてきている度合い、子宮が外に出ている程度によって症状が変わります。

初期の段階では、負荷が加わったときにだけ子宮が出てくるようになります。例えば、重い荷物を持つなどの重労働、長時間の立ち仕事、トイレの最中などに出現します。

やがて、常に子宮が出ている状態になると、膣壁の粘膜が乾燥して厚くなったり、下着にこすれるなどの刺激で炎症が起こったりすることもあります。

■子宮下垂・子宮脱の対処法

子宮下垂や子宮脱が疑われた場合、どのような対処法が考えられるのでしょうか。治療法とともに見ていきましょう。

●子宮下垂・子宮脱の診断方法

子宮下垂や子宮脱の疑いで病院を受診すると、まず問診を受け、続いて膣内に機器を挿入して、子宮がどれくらい下がっているかを診断します。これによって、重症であることが分かれば、手術に進みます。

●子宮下垂と子宮脱の治療法

子宮下垂・子宮脱の治療法は、ペッサリー挿入法と手術法の2種類があるといわれています。

ペッサリー挿入法とは、ペッサリーリングという細いシリコンでできたリングを膣の中に入れて、落ちてきている子宮を骨盤内部に押し戻す方法です。朝に挿入し、夜に取るなど、自分自身で着脱を行うことができます。

重度になると、手術が必要になります。手術では、ゆるんだ骨盤底筋群をメッシュで置き換えることで、ハンモックのように子宮を支える力を補強します。この手術は、経膣メッシュ手術と呼ばれることがあります。

●子宮下垂と子宮脱の予防法

子宮下垂・子宮脱が軽度の場合、それ以上、子宮が降りてこないように、骨盤底筋群を鍛える方法も取られています。その一つに「ケーゲル体操」があります。

ケーゲル体操とは、膣を締めたりゆるめたりすることで骨盤底筋群を鍛える運動です。例えば、横になって膝を立て、腹式呼吸をしながら、膣や肛門をキュッと締めて、お腹のほうに持ち上げるように力を入れ510秒ほどキープした後、ゆるめます。この締める、ゆるめる動きを交互に数回繰り返します。寝そべった姿勢だけでなく、座った姿勢や立った姿勢でも行うことができます。ケーゲル体操は、尿もれなどの症状にも有効とされ、実際に対策として取り入れられている方法です。

また、出産後の産褥期に重い荷物を無理して持たないことなども、子宮下垂・子宮脱の予防法として知られています。

子宮下垂と子宮脱は、多産や加齢によって子宮が落ちてくることをいいます。その原因は、子宮を支える骨盤底筋群のダメージやゆるみ。軽度であれば体操を行うなどの予防策をとって、重度になるのを防ぐことができます。

重度になると、ゆるんだ骨盤底筋群の代わりにメッシュを取り付ける手術も行われています。

もし、下腹部の違和感や不快感、何かが膣から飛び出しているなど、異変に気づいたら、恥ずかしがらずにすぐに婦人科を受診しましょう。自分にだけ起きることではなく、すでに多くの女性たちが経験していることです。

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