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不妊治療の末、諦めた妊娠。そして、その後の人生計画を考える

不妊治療をしている人にとって、妊娠を諦めることはとてもツライことです。
しかし同時に、不妊治療は肉体的にも精神的にも、また費用の面でも負担がかかるため、「いつまで続けよう…」という迷いがあるのも現実のようです。
精根尽きる前に、夫婦でその後の人生について話し合うことも必要なのかもしれません。

■不妊とはどういう場合を指すの?

「赤ちゃんがほしい!」と思っても、誰もが簡単にできるわけではありません。妊娠を望んでいるのに、何年もできない人もいます。特に病気もなく健康な男女が結婚をして、定期的な性生活を送っている場合、1年以内に妊娠をする確率は約80%。2年以内になると、約90%の人が妊娠するとされています。日本産科婦人科学会の不妊症の定義は、避妊をしないで定期的な性生活を送っていても、1年以上妊娠しない場合とされています。

■妊娠を「諦める」ということ

なかなか赤ちゃんができず、不妊治療をする夫婦は少なくありません。しかし悲しいことに、不妊治療を行ったからといって、必ず赤ちゃんを授かれるわけではないのです。タイミング法を始めて1年で妊娠したという夫婦もいれば、10年以上あらゆる治療法にチャレンジしているけれどできないという夫婦もいます。

不妊治療は、「これとこれをがんばれば必ず妊娠できる」という確かなものはありません。しかし希望を持ってチャレンジを繰り返している人にとって、「諦める」という選択をするのは難しいものです。

「不妊検査を行った結果、病気が見つかったのでまず治療をしました。その後、タイミング法で妊娠することができました」という夫婦もいれば、「現在不妊治療中ですが、なかなか妊娠できないので人工授精を考えています」という夫婦もいます。「今度こそは」、「やっぱり妊娠できなかった」、「今度こそは」、「流産してしまった」など、不妊治療で一喜一憂を繰り返している夫婦は少なくないようです。

「そろそろ不妊治療も限界かな…」と感じてはいるものの、「もう少しがんばれば、もしかしたら…」、「あと1回、もう1回」と、ほんの少しの希望がある限り諦めることができない夫婦も多いと聞きます。

■精神的にも肉体的にも過酷な不妊治療

  • A子さんの場合

実際に不妊治療をしている人たちは、今、そしてこれからを、どのように考えているのでしょうか?

「不妊治療をしたら、すぐに赤ちゃんができると思いこんでいました」というのは、39歳のA子さん。「30代前半くらいに子どもが欲しいと思って、私が30歳、主人が32歳になったころから、子づくりを意識しはじめたのですが、2年経っても3年経ってもできなくて…」と語り始めます。「検査の結果は特に異常はなかったので、不妊の原因はわかりませんでしたが、タイミング法からはじめて人工授精、そして体外受精とチャレンジしてきました。そろそろ40歳になるし、妊娠を期待することにも疲れているのですが、治療をやめたら子どもを諦めることになると思うとなかなか思いきれなくて…」とA子さんは、諦めることができずにいるといいます。

「どこまでやればいいのか?いつまで続ければいいのか?」不妊治療をしている人の多くが、こんな悩みを抱えています。

また不妊治療をしても出産をする確率は年齢とともに低くなっていると、厚生省研究班の調査による結果が発表されています。確率としては、39歳女性が10.2%、42歳女性で3.7%、45歳では0.6%。42歳になると一気に確率が下がることがわかります。

この結果をもとに、「不妊治療の公費助成を42歳までとする」と、年齢制限が決まりました(2016年から厚生労働省にて決定)。

■不妊治療にかかる費用を稼ぐという負担

不妊治療には、排卵日を推定してその前後に性交を行う「タイミング法」、精子を人工的に子宮の中に注入する「人工授精」、そして採取した卵子と精子を体外で受精させて子宮の中に戻す「体外受精」などがあります。当たり前ですが、これらの方法は、1回行うたびに費用がかかります。

タイミング法は保険が適用されているので、1回数千円くらいでできますが、人工授精や体外受精ともなると、そうもいきません。

人工授精の費用は、11万円~3万円くらいで保険適用外。体外受精は、120万円~60万円くらいかかるとされています。体外受精は、42歳までであれば国の特定不妊治療助成事業の公的補助を受けることができますが、それでも決して安い金額ではありません。

不妊治療は精神的、肉体的に負担がかかるだけでなく、「費用的に厳しい……」と感じている人も多いようです。

■諦めたあとの人生設計を考える

不妊治療をしている人が妊娠を諦めることを考えるとき、その後の人生を改めて考えるようになるといいます。

  • B子さんの場合

過去に約7年間不妊治療をしていたという、40代後半のB子さんに話を聞いてみました。「30代のときは『まだがんばれるな』って思えて、治療にも前向きでした。でも40代になったころ、ふと不妊治療に使った費用を計算してみて驚きました。なんと1000万円近く使っていたんです。かかっているのはわかっていましたが、書き出してみてあらためてびっくりしました!」といいます。そしてB子さんはそのとき初めて、「子どもがいなくても夫婦2人で楽しむ人生」ということを、前向きに考えてみたといいます。「これまで主人のお給料は生活のため、私のお給料は不妊治療のため、という感じで考えていたので、旅行なんて無駄遣いって思っていたんです。でも今は主人と2人で、『週末旅行で全国制覇をしよう』と、今までできなかった分、毎週旅行をしています()」と笑顔で語ります。

体力や精神面だけでなく、費用の面でも不妊治療の大変さが伝わります。そしてB子さんは話しの最後に、「これからの人生を『自分たち流』で楽しむと決めたとき、子どもができなかったという悲しみに打ち勝った!」のだと力強く語ってくれました。

 

  • C子さんの場合

また、とてもポジティブな性格なC子さんは、こう語ります。

「不妊治療は合計で6年間くらい続けました。結婚したのは、主人が30歳で私が21歳のとき。不妊治療を始めたのは私が25歳と早い方だったのですが、31歳くらいのときには自分の中で妊娠を諦めました。周囲からは『まだ諦めるのは早い!』っていわれましたけど、私も主人も気持ちの切り替えが早い方なので、その後主人と一緒に会社を設立する夢に向かってスタートをきりました。自分が不妊症であることを恨むより、子どもを持てないならいっそのこと夫婦でこんなことをやってみよう! あんなことを楽しもう! って。会社を設立してからは忙しくて、子どもを持てないことを悔やんでいるヒマがありません!()

子どもが持てないことを悔やまず、負い目に感じず、強く生きる選択をしたC子さん夫婦の話を聞いていると、とても強く結ばれた夫婦の絆を感じます。

■「やるだけのことはやった!」と思えるように

不妊治療を諦めるのに、ちょうどいい時期なんてありません。決めるのは自分です。そしてきちんと納得をして諦めるためには、納得がいくまで続けることも大事なのかもしれません。また、女性不妊が原因の場合は卵子提供や、男性不妊が原因の場合は精子提供という選択もあります。特別養子縁組という選択もあります。

不妊治療でココロとカラダが疲れ果ててしまう前に、その後の人生をどう生きるか? なにをして楽しむか? を夫婦で話してみることも、大切なのかもしれません。

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