【不妊治療の基礎知識①】これってどういう意味? 難解ワードを攻略

不妊治療をはじめると、日常生活では使わない難解な言葉に度々出合いますよね。
不妊治療をはじめてみようと、すでにいろいろなサイトを見ている人ならば、「この言葉はどんな意味なんだろう?」と疑問を持った方もいるでしょう。
今回は、不妊治療でよく使われる言葉の意味を解説します。

■不妊治療をはじめる前に知っておきたい言葉の意味

妊活をはじめ、不妊治療にも挑戦してみようと考え中の方は、多くの場合、インターネットや書籍などで情報を集めると思います。そんなとき「この言葉って良く見かけるけど意味がわからない……」と思ったことはありませんか? 不妊治療は専門的な用語も多く、意味がわからないままでは、治療の方法や意味を理解することも難しいものです。そこで今回は主に治療に関わる用語の意味を解説していきます。アルファベットを使用した略称で書かれることが多いので、一緒に覚えておくといいでしょう。

【基礎用語編】

■卵胞刺激ホルモン(FSH)

脳下垂体の前葉から分泌されるホルモンのことです。主に、卵巣に作用して卵胞を発育させ、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を促します。

■黄体化(黄体形成)ホルモン(LH)

卵胞刺激ホルモン(FSH)とともに、下垂体前葉から分泌されるホルモンです。排卵をうながし黄体へ変化させます。

■卵胞ホルモン(エストロゲン)

子宮内膜を増殖させるほか、頸管(けいかん)粘液を分泌させる働きがあります。卵巣から分泌されていて、妊娠中は絨毛細胞から多量に分泌されるものです。

■テストステロン(TES)

男性ホルモンの一種です。女性でも分泌されるが、テストステロンが過剰に分泌されると排卵障害の原因となる場合があります。

■アンチミューラリアンホルモン(AMH)

発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。抗ミューラー管ホルモンとも呼ばれ、生殖腺や生殖細胞の分化、機能維持に関与していると考えられる物質です。AMH値は卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているか、卵巣の予備能を反映すると考えられています。

■エストラジオール 卵胞ホルモン(E2)

卵胞の発育により出てくるホルモンのことです。排卵が近い、卵胞の数が増加した場合に上昇してきます。また頸管粘液を増やす、子宮の内膜を厚くするという働きもあります。

■プロゲステロン 黄体ホルモン(P4)

排卵すると上昇するホルモンのこと。P4の値は、体外受精に胚移植してもよい状態か調べるために測定されます。また、子宮の内膜を着床しやすい状態へ変化させるため、黄体機能をみる場合にも測定します。

■プロラクチン 乳腺刺激ホルモン(PRL)

乳汁を分泌させるホルモンのことです。分娩後授乳しているときに分泌されます。妊娠を望む女性がPRLの値が高いと月経不順や排卵障害の原因になるといわれています。

■性腺刺激放出ホルモン(GnRH)

卵巣機能を反映して、黄体化(黄体形成)ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を調整させるため、脳の視床下部から出るホルモンのことです。

【薬剤編】

■FSH製剤

卵胞を発育させるためのホルモンのうち、遺伝子組み換え技術でFSH(卵胞刺激ホルモン)を特に抽出した注射剤のことです。

■HMG製剤

卵胞を発育させるためのホルモンの注射剤です。FSH(卵胞刺激ホルモン)と黄体化(黄体形成)ホルモン(LH)が入っています。

■GnGHアンタゴニスト

即効的に下垂体ホルモンの分泌を抑えることで排卵を抑制する拮抗薬のことで、注射薬として投与します。

【治療法編】

■一般不妊治療

タイミング指導・薬物療法・人工授精などで行う不妊治療の総称です。

■高度不妊治療(高度生殖医療)

体外受精を中心とした治療です。主に体外受精または顕微授精、胚凍結、胚移植の治療から成り立ちます。生殖補助医療(ART)とも呼ばれます。

■タイミング療法(指導)

排卵を予測して性交タイミングを指導する不妊治療のことです。主に、排卵の予測は超音波で卵胞径を計測して行われます。また、基礎体温や血中、尿中の黄体化(黄体形成)ホルモン(LH)を参考にすることも。

■排卵誘発(COH)

薬によって排卵を起こすことです。排卵障害がある場合、自然排卵が認められる場合でも、排卵をより確実にするために行われます。

■ショート法

ショート法とは、体外受精の排卵誘発法のひとつ。月経開始と同時にGnRHアゴニストという点鼻薬を毎日使用します。同時に排卵誘発剤の注射を投与して、排卵調節しつつ、採卵する時期を合わせていきます。また、薬の投与を2~3日間だけにするウルトラショート法もあります。

■ロング法

ロング法とは、体外受精の排卵誘発法のひとつ。ショート法と違い、採卵予定前周期の高温期・中期頃からGnRHアゴニストという点鼻薬を毎日使用。月経3日目ごろからFSH製剤やHMG製剤(卵胞を発育させるためのホルモンの注射剤)を注射する方法です。

■アンタゴニスト法

排卵誘発法のひとつ。ショート法やロング法と違って採卵前の排卵を抑制する薬を使わずに行われます。月経3日目からFSH製剤やHMG製剤(卵胞を発育させるためのホルモンの注射剤)を注射し、卵胞がある程度発育してきたらGnGHアンタゴニストを注射する事で、採卵のタイミングを調節する方法です。

■カウフマン療法

排卵障害がある場合に行われる不妊治療のひとつです。規則的な月経周期、排卵周期を取り戻すためにエストロゲンとプロゲステロンを内服し、ホルモンのバランスを整え、排卵しやすくします。

■人工授精(AIH)

排卵時期に合わせて、精子を直接子宮内へ注入する方法です。精液を培養液等で洗浄し、良好な運動精子を選別・濃縮して使用します。排卵には通常、排卵誘発剤を使用する場合が多いとされています。

■MESA(精巣上体精子回収術)

精巣でできた精子をいったん貯めておく臓器・精巣上体の組織から精子を取り出すことをいいます。

■ReVSA(精管精子回収術)

精巣上体から尿道まで精子を送り出す管・精管から精子を取り出すことを指します。

■TESE(精巣精子回収術)

精巣を少し切開して精子を取り出すことです。

不妊治療に関する用語はたくさん種類があります。ひとつひとつ全てを覚える必要はありませんが、自身が受ける治療方法に関わる用語については、意味を押さえて治療を始めると、担当の医師からの説明なども理解しやすくなるでしょう。

この記事の監修
産科医 竹内正人先生

 

この記事のキュレーター

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