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感染に気付きにくい病気・トリコモナス膣炎とは

トリコモナス膣炎は、日本人女性の5~10%が感染しているといわれている病気です。膣の自浄作用が低下する妊娠中に感染しやすい病気としても知られています。自覚症状がない場合も多く、気付かずにパートナーに移してしまう例も少なくありません。放置をすれば不妊の原因となる可能性もあるため、早期の検査・治療が大切な病気です。

■トリコモナス膣炎は自覚症状がないことも

トリコモナス膣炎は、膣トリコモナス原虫という0.1㎜ほどの寄生虫によって感染する膣炎です。性感染症としてはあまり知られていませんが、日本人の女性の5~10%、男性の1~2%が感染しているといわれています。

子宮頚部・膣からの分泌物であるおりものは、通常、弱酸性(pH4.55.0)で保たれており、膣内で細菌が増殖するのを防ぐ役割があります。トリコモナス膣炎になると、膣の粘膜が炎症を起こして細菌が増殖します。そのため、感染後およそ3週間後になると以下のような症状が現れます。

・強い悪臭のあるおりものが増える

・おりものが黄緑色もしくは白い泡状に変わる

・外陰部にかゆみやただれがある

・外陰部に痛み、熱感などがある

・おりものに血が混じる

・性交時に痛みを伴う

トリコモナス膣炎の感染者のなかには、自覚症状がない人も少なくありません。しかし、放っておくと膣だけでなく尿道や膀胱などにも炎症が広がり、尿道炎や膀胱炎を発症します。また、炎症が卵管にまで広がると卵子の通り道をふさいでしまい、妊娠しづらくなることがあるため、注意が必要です。

男性の場合、ほとんどが無症状。まれに、尿道分泌物が多少増加したり、尿道のかゆみ、不快感といった軽い尿道炎の症状が現れたりする程度です。そのため、自分から検査を受けるケースは少ないといわれていますが、パートナーがトリコモナス膣炎を起こした場合は、無症状であったとしても検査を受けることが大切です。

■トリコモナス膣炎と似た病気も多い

トリコモナス膣炎は、その大半がオーラルセックスを含む性交渉によって感染します。ただ、オーラルセックスによる感染率は低いともいわれています。膣トリコモナス原虫の感染から症状が出るまでの潜伏期間は、4日~1ヵ月と人によって差があります。また、前述したように自覚症状がない場合も多く、気付かずにパートナーに移してしまう例が少なくありません。パートナー間で感染をくり返す「ピンポン感染」も頻繁に起こります。感染に気付いたら、パートナーと一緒に検査・治療を受けることをおすすめします。

膣トリコモナス原虫は乾燥に弱い反面、水中や湿った場所では長く生息できるという特徴があります。そのため、性交渉がなくても、浴槽や便座、公共のプールや温泉、濡れたタオルや下着などから、知らぬ間に感染することもあります。

トリコモナス膣炎と似た症状を示す病気に、カンジダ膣炎があります。これは、膣内に常在する真菌の一種・カンジダ菌によって発症する病気で、性交渉ではほとんど感染しません。疲労やストレスなどによって体力・免疫力が低下したときにカンジダ菌が異常増殖し、症状が現れます。症状は、白いヨーグルト・カッテージチーズ状のおりもの、外陰部の強い痛み・かゆみ、などです。

クラミジア感染症も、症状がほとんどないという点ではトリコモナス膣炎とよく似ています。クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという微生物による感染症で、その大半は性交渉によって感染します。感染者の70%は自覚症状がまったくないといわれており、症状があっても、水っぽいもしくは膿状のおりものが多少増えるか、性交痛が出る程度です。そのため近年、若年層を中心に感染者が増えています。トリコモナス膣炎と同様、放置すると不妊の原因になる可能性もあるため、早期の発見・治療が大切な病気です。

■妊娠中のトリコモナス膣炎は胎児に感染することも

トリコモナス膣炎は、おりものを顕微鏡で調べればすぐに診断できます。治療は、内服薬の服用が基本です。膣内に挿入する膣剤と併用する場合もあります。完治には10日~2週間ほど必要です。

膣トリコモナス原虫は、わずかでも残ると再発します。症状が消えたからといって自己判断で薬の使用を止めるのは厳禁。処方された薬は最後まで使いましょう。また、トリコモナス膣炎の薬を使用中にアルコールを飲むと、吐き気やめまいが起こります。薬の使用中は、禁酒してください。

トリコモナス膣炎は、膣の自浄作用が低下する妊娠中に感染しやすいことでも知られています。妊娠中にトリコモナス膣炎になると、胎盤の炎症や、お腹の張り・痛みなどが現れます。さらに、前期破水(予定日より早い破水)が引き起こされ、早産・流産に至ることも。まれですが、胎児や新生児に感染することもあります。妊娠中にトリコモナス膣炎にかかったら、速やかに治療してください。

 

性感染症の検査は誰もが恥ずかしいと感じるものです。しかし、トリコモナス膣炎は自覚症状に乏しくても感染力は強いとされています。予防のためにも、性交渉の際にはコンドームを必ず使用するようにしましょう。もしトリコモナス膣炎にかかった場合、性交渉以外でもうつるため、プールや温泉などで第三者に感染を広げてしまう危険もあります。放置をすれば不妊の原因となることも。わずかでも異常に気付いたら、速やかに検査を受けることをおすすめします。

 

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