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産後によく起こる「高プラクチン血症」ではどんな症状が出る?

産後に起こるとよくいわれる「高プロラクチン血症」。ホルモンの一種であるプロラクチンが大量に分泌されてしまうのが、高プロラクチン血症です。プロラクチンは生理や排卵に深くかかわっているため、妊娠できるかどうかにも関係してくる病気です。いったい、どのような症状が起こるものなのでしょうか。今回は、この高プロラクチン血症について勉強しましょう。

■高プロラクチン血症とは?どんな症状が現れるの?

高プロラクチン血症とは、プロラクチンと呼ばれる「乳汁分泌ホルモン」または「乳腺刺激ホルモン」が、大量に分泌されることで起こるものです。
プロラクチンは脳の下垂体から分泌され、母乳を分泌させたり、乳腺を発達させたり、産後に無月経にさせたりする働きのあるホルモンです。しかし、これが産後の授乳期以外、つまり妊娠していないときや妊娠中などに大量に分泌されることがあります。これにより、不妊症の原因になるともといわれているのです。

健康な女性では0.4~0.5%、無月経女性では9%、乳汁漏出症では25%に見られるといわれています。

●高プロラクチン血症の原因って?

高プロラクチン血症の原因として、大きく分けて3つの原因が考えられます。

(1)腫瘍性高プロラクチン血症
生理不順の若い女性に多く見られるのが、下垂体そのものからできる下垂体腺腫という腫瘍です。ほぼ良性のものですが、ホルモンを産生するものと産生しないものに分かれます。このホルモンを産生するもののうち、プロラクチンンを過剰産生するのが「プロラクチノーマ」という腫瘍で、高プロラクチン血症の原因となります。プロラクチノーマのうち、1cm以上のものは「マクロプロラクチノーマ」、1cm未満の場合「マイクロプロラクチノーマ」と呼ばれます。

(2)機能性高プロラクチン血症
下垂体のホルモン分泌をコントロールする、脳視床下部に異常がある場合も、高プロラクチン血症の原因となります。通常、下垂体からプロラクチンが多く分泌されようとしていると、視床下部からプロラクチンンンの産生を抑えるドーパミンというホルモンが分泌され、過剰な産生にブレーキがかかるしくみです。しかし、視床下部の働きが病気などさまざまな原因で弱まってしまうと、高プロラクチン血症が起こります。

(3)薬剤性高プロラクチン血症
飲んでいる薬によって高プロラクチン血症が起こってしまうものです。吐き気止めとして知られる「シメチジン」や「スルピリド」などのほか、「ハロペリドール」などの向精神、睡眠薬などでドーパミンが抑えられてしまうと、高プロラクチン血症を発症することがあります。

そのほか、甲状腺の機能低下によっても高プロラクチン血症が起こる場合があります。

●高プロラクチン血症の症状とは?

高プロラクチン血症の症状は、主に妊娠してもいないのに乳汁が出る乳汁漏出や、排卵障害による不妊、無月経、月経不順、黄体機能不全などがあります。

■高プロラクチン血症はカラダにどんな異常が出る?

高プロラクチン血症になると、なぜ排卵や生理が起こらなくなるのでしょうか。それは、プロラクチンが大量に分泌されることによって、視脳の視床下部から出る「LH-RH」という「黄体形成ホルモン放出ホルモン」の分泌が抑えられてしまうからといわれています。
LH-RHは、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンを正常に分泌させるために必要ですが、阻害されると卵胞が発育されず、さらにエストロゲンも分泌されなくなるのです。

●高プロラクチン血症で不妊になることも

高プロラクチン血症になると、将来妊娠を希望している女性にとって問題が生じます。黄体機能不全や排卵障害などが起こり、不妊の原因になるからです。
しかし、プロラクチン値が高くても、生理がきちんと規則正しくきているのであれば、妊娠できる可能性は十分にあるといわれています。

■高プロラクチン血症の治療方法と改善策

高プロラクチン血症は、どのような治療方法と改善策があるのでしょうか。それぞれについて見ていきましょう。

●高プロラクチン血症の治療法って?

高いプロラクチン血症の治療法は、薬物治療が中心です。例えば、ブロモクリプチン(バーロデル)、テルグリド(テルロン)などの薬が処方されます。これらの薬を飲むと、吐き気や嘔吐、起立性低血圧といった副作用をきたすことがあるため、空腹時に飲まないなどの工夫が必要とされています。ただし、現在では、より副作用の少ないテルロンが用いられるのが一般的になってきています。
プロラクチンの値が高い場合は、朝晩2回飲み、およそ4~6週間後に血中プロラクチン値を測定します。治療を行うと、無排卵だった場合でも、治療開始から約2か月で排卵が起こるようになるといわれています。血中プロラクチンが低下することによって、3カ月以内に排卵が認められる人は約9割にも及びます。

ただし、プロラクチンの値が検査で100ng/mlを超えるなど、異常に高いことが分かった場合、甲状腺や脳下垂体にできる腫瘍が原因のことも考えられるため、詳細に調べることになります。頭部のCT検査およびMRI検査が主な検査方法です。
下垂体腫瘍が見つかったら、症状や本人の希望に応じて、手術が行われることもあります。手術を行わなかった場合は薬物治療を行います。

一方、薬が原因で高プロラクチン血症が起きている場合には、その薬の服薬をやめることで、症状が改善します。

●高プロラクチン血症の生活面の改善ポイント

高プロラクチン血症は、ホルモンの分泌の異常によるものなので、できるだけ規則正しい生活を送ることが重要です。プロラクチンは、脳の下垂体から出るホルモンであるために、ストレスによる影響が強く出やすいといわれています。よって、忙しすぎる生活を続けたり、ストレスをためたまま解消しなかったりすることは避けるべきです。

高プロラクチン血症を発症した場合、プロラクチノーマや甲状腺の機能低下などの異常が原因である場合も考えられます。症状が軽度な場合も放置せず、まずは産婦人科を受診しましょう。

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