生理前の不調。月経前症候群(PMS)とうまく付き合うには?

生理前になるとにきびや便秘に悩まされたり、急に不安になったりイライラすることはないですか?
これは月経前症候群(PMS)という症状です。
毎月の不調を仕方ないとただ我慢するのではなく、その原因を学び、上手に付き合うコツを一緒に考えていきましょう。

あなただけじゃない!女性の8割が感じる生理前の不調「PMS」

生理前に何らかの不調を感じている女性は実に8割にものぼると言われています。

 ● カラダに現れる代表的な症状

にきび、便秘、むくみ、乳房の張り、下腹部の重だるさ、腰痛

 ● ココロに現れる代表的な症状

イライラ、落ち込み、ゆううつ感、集中力の低下

 

このように、生理が始まる3~10日前にあらわれる身体的・精神的症状を「月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)」と呼びます。

生理前に起こるこれらの症状は、一般的に、生理が始まるとともに消失したり、軽減されていきます。

生理前にイライラして周囲に当たり散らしたりしたことを、生理が始まると後悔して自己嫌悪に陥ってしまう人も少なくありません。

 

仕事や人間関係にも支障をきたしてしまうこともあるPMSですが、症状に合わせた治療や日常生活でのケアで症状を改善させることは可能です。

 

生理前の不調の原因は?

PMSが起こる原因は、まだはっきりと解明されていません。

 

原因の一つとして考えられているのは、生理周期に伴って変動する女性ホルモンの影響。

生理前に女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が急激に減少するのですが、このような急変動がカラダとココロをコントロールしている自律神経のバランスを乱し、さまざまな不調をもたらすと言われています。

特に、女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、それにともなって心の安定感や幸福感をもたらす「セロトニン」という神経伝達物質の分泌も減少して、落ち込みやゆううつ感などの精神的な不調が出てくるようになるのです。

また、女性ホルモンが急変動するということは、二つのホルモンのバランスも乱れやすいということ。一方の働きが優位になり過ぎることで不調が起こります。

妊娠を維持するために大切な働きをするプロゲステロンが優位になって作用が強くなると、むくみや便秘、にきび、乳房の張りなどの症状となってあらわれます。

 

カラダの症状に関しては、ホルモンの変動や働き具合など個人差によるところも大きいのですが、ココロの症状に関しては、ストレスがかかると症状が強く出る傾向にあります。

また、とかく「何事も100%完璧にやらないと気が済まない。」など完璧主義思考に陥りがちな人はストレスをためやすく、PMSもひどくなりがちです。「8割できたらそれでよし。」というふうに考え方を変えて、自分をゆるめてあげることも大切ですね。

 

PMSの症状がつらいと感じたら…

まずは症状を悪化させる原因が潜んでいないか日常生活を見直してみましょう。

夜更かしなど不規則な生活や過度なストレスは、自律神経の働きを乱してしまいます。生理前こそ規則正しい生活を心がけましょう。

そして、特にこの時期は、ストレスをためない過ごし方が大切。仕事や人間関係のトラブルを防ぐために、大切な約束は入れず家でリラックスして過ごす、重大な決断はしないようにする、この時期にゆったり過ごすために、前倒しして済ませられる仕事は生理後の体調の良い時期にやっておく、などのちょっとした工夫をこらすとよいでしょう。

 

つらい時は我慢しないで婦人科の受診を

症状がつらく、日常生活に支障をきたしたり、セルフケアでも楽にならないような場合は、婦人科へ行きましょう。

PMSの症状や期間、生活習慣、環境などを医師に伝えることで、個人個人の症状に合った治療が施されます。日頃から、基礎体温をつけると同時にPMSの症状などもメモして準備しておけば、診察もスムーズですね。

 

婦人科ではどんなPMSの治療法を受けられるの?

日常生活上のアドバイスのほか、鎮痛剤の内服など対症療法、体質改善を目的とする漢方薬、女性ホルモンのバランスを整える低用量ピルや、サプリメントの処方などを受けることができます。

 

PMSとうまく付き合っていくために

まず自分がPMSだと気づくことが大切です。そうすれば、症状に振り回されることなく、不調に対する解消法を考えられるようになります。

また、精神的な症状も、自分の性格ではなくPMSのせいなんだ、と気づくだけでも気持ちがかなりラクになるはず。

自分なりの緩和法を持っておくと、生理前を少しでもラクに乗り切っていけるようになるでしょう。

 

★今回のポイント★

・生理前の不調を月経前症候群(PMS)と呼ぶ

PMSの症状がつらい時には、我慢せずに婦人科で治療を

・自分の性格や症状を把握して、PMSとうまく付き合おう

 

 

この記事の監修 
婦人科専門医  松村 圭子先生

 

この記事のキュレーター

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