35歳以上の4人に1人!?子宮筋腫って、どんな病気?

子宮筋腫は、多くの女性に見られる婦人科疾患の1つです。35歳以上の女性に限れば、実に4人に1人がかかるといわれています。
「子宮筋腫が見つかったら、すぐに手術するの?」「妊娠・出産への影響はないの?」などのギモンに答えます。

子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫とは、子宮にできた良性の腫瘍です。

筋腫は複数個できることが多く、数・大きさ・場所は人により異なります。

子宮筋腫ができた場合、生理の量が増えるなどの症状で気づく場合があります。

ドロッとした血の塊が出てきたり、昼でも夜用の生理用ナプキンを使わないと漏れてしまったりするような場合は、生理量が多すぎるといっていいでしょう。

また、下腹部にしこりがあることで気づくこともあります。一方で、全く自覚症状がないこともよくあります。

 

子宮筋腫ができる原因は?

子宮筋腫ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンが影響して大きくなることはわかっています。

子宮はエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの影響を受け、思春期に発育し、閉経以降は委縮していきます。筋腫も同様にエストロゲンの影響で大きくなり、閉経後には小さくなります。

 

子宮筋腫ってどこにできるの?

ひとくちに子宮筋腫といっても、できる場所は子宮の中でもさまざまです。

子宮の外側にできるもの(漿膜下筋腫)、筋層という筋肉内にできるもの(筋層内筋腫)、子宮の内側に向かってできるもの(粘膜下筋腫)があります。

さらに特殊な場合として、筋腫が膣に出てしまったもの(筋腫分娩)、子宮頚部にできてしまったもの(頸部筋腫)もあります。

 

どんな検査で子宮筋腫を見つけるの?

もっとも一般的な子宮筋腫の検査法は超音波検査(エコー)です。

腹部からの検査のほか、小さな筋腫や子宮の中に向かってできた筋腫を発見するため、膣に小さな器械を入れて検査することもありますが、大抵の場合、痛みは感じません。

 

気になる子宮筋腫の妊娠・出産への影響は?

子宮筋腫は、妊娠・出産に影響することがあります。

筋腫のできた位置や大きさによっては不妊や流産・早産の原因になりやすいともいわれています。

不妊の原因になる子宮筋腫とは、卵管での受精を邪魔したり、受精卵が着床しにくくなったりするような場合です。

子宮筋腫があればすぐ摘出手術というわけではなく、他の原因がないかどうかよく確認する必要がります。

なぜなら、筋腫摘出手術をすることでお腹の中に癒着がおこり、かえって不妊の原因となってしまうこともあるからです。

 

子宮を全て取るって本当?子宮筋腫の治療法

子宮筋腫があるだけなら、治療の必要はありません。

貧血がひどい、筋腫が大きい、痛みがひどい場合などは治療の対象となります。

治療には、薬物療法と手術療法とがあります。

薬物療法には、痛みを鎮痛剤で抑えるなどの対症療法のほか、女性ホルモンの分泌を薬で抑え、閉経と同じ状態にする方法もあります。

 

手術療法になった場合は、筋腫のみを子宮から摘出する筋腫核出術か、子宮を全部とってしまう全摘手術を行います。

一般的に筋腫核出術は、妊娠・出産を希望する人や若い人に限って行われます。なぜなら、場合によっては全摘よりも出血量が多くなることや、子宮がんを起こす可能性などデメリットもあるためです。

 

子宮を全摘するとなると女性としての大事なものをなくしてしまうような気がしますが、女性ホルモンを出しているのは卵巣なのでホルモン分泌には影響ありませんし、膣が残るのでセックスもできます。

十分に納得できるまで主治医とよく話し合って、治療方法を決めるようにしましょう。

 

★今回のポイント★

・子宮筋腫ができる理由ははっきりとはわかっていない

・子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなる

・子宮筋腫が理由で不妊になることも

・子宮筋腫があるだけなら、治療の必要はない

 

 

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

この記事のキュレーター

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