妊娠できないのは、太りすぎ・痩せすぎが原因?

赤ちゃんを授かるためには、体重の管理も大切です。基準より体重が多すぎても、少なすぎても妊娠可能性は低下してしまいます。
今回は、妊活~妊娠中の体重について、適切な体重管理の方法とともに解説していきます。

太り過ぎは妊娠可能性の低下を招く

これから妊娠を望んでいる人にとっても、体重管理は大事なポイントになってきます。

アジア人を対象にしたシンガポールの研究では、BMI18.522.9の女性の群と比較して、BMI2327.4および27.5以上の女性の群ではそれぞれ妊娠率が0.66倍および0.53倍と低かったとの報告もあります(※)。

肥満の人が全員、不妊になるわけではなりませんが、肥満により妊娠しにくくなっている人がいるのも事実。

肥満で内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというタンパク質が減少します。アディポネクチンが減少すると、卵巣の皮が厚くなり、排卵障害や卵子の発育障害がおこることがわかっています。また、肥満になると血流が悪くなりカラダが冷えやすくなることも、不妊の要因のひとつとされています。

痩せすぎも妊娠しにくいカラダに

逆に、痩せすぎも妊娠力の低下を招きます。

理想的な体脂肪率は2030%未満。妊娠するにはある程度の体脂肪が必須です。

痩せすぎの場合は、カラダが飢餓状態であると認識し、優先順位の低い機能を止めて自分を生かすことを最優先します。こうなると、生殖機能が後回しになり、妊娠しづらくなってしまいます。

もし妊娠を望むなら、適度な体脂肪率をキープすることも大切です。

ホルモンバランスを整えて妊娠力をアップさせる

妊娠力をアップさせるためには、適正体重をキープしましょう。体重と身長から計算する、世界基準の指標BMI(ボディ・マス・インデックス)の範囲を目指せば、体脂肪も適正になるはずです。

BMI値の計算方法 >

BMI=体重(kg)/身長(m² 
ex
:身長158cm、体重53kgの場合、BMI53÷1.58×1.58)=21.2

低体重(やせ):BMI18.5未満

適正体重:BMI18.525未満

肥満:BMI25以上

 

日本人女性は、痩せ気味の人が多いにもかかわらず、まだ「痩せたい!」という人も多く見られます。

無理なダイエットは、月経不順や無月経の要因にも。

ダイエットをするなら、健康的なメリハリのあるカラダを目標に、過度な食事制限などは行わず、バランスのよい食事を3食とりながら、カラダのメリハリをつける筋トレなどの運動を取り入れましょう。カラダにメリハリがつくだけで、かなりスタイルがよく見えますよ。

妊娠したら体重が増えるのは自然なこと

ここ数年、モデルや有名人で結婚&出産をした人が多くいます。

また、妊娠中の姿を写真に残す、マタニティーフォトの人気もあり、妊娠中であってもスリムなカラダをキープしているという芸能人の妊婦さんの姿に憧れる人も多いのでは。

たしかに、妊娠中に太り過ぎると「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などのリスクが高まります。妊娠前から体重オーバーの場合も、これらの病気のリスクは高いといえます。

ただ、妊娠中に体重がある程度増えるのは必然なこと。

妊娠すると太りやすくなるのは、カラダが赤ちゃんのために栄養を確保し続けるため。万が一、ママのカラダが栄養失調になってもお腹の赤ちゃんに栄養を届けられるように確保しているのです。

無理にスリムなカラダをキープしようとダイエットをするのは、赤ちゃんの発育を妨げるので絶対にやめましょう。

 

★今回のポイント★

・太り過ぎも痩せすぎも妊娠しにくくなる

BMI値が18.525未満が適正体重

・痩せすぎは、月経不順や無月経の要因に

・妊娠中に太るのは自然なこと

 

(※)引用:L. Loy., Y.B. Cheung, S.E. Soh, et al. Female adiposity and time-to-pregnancy: a multiethnic prospective cohort. Hum Reprod. 2018 Nov 1; 33(11): 2141–2149. 

 

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

初回公開日:2017年6月15日
最終監修日:2021年10月24日

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