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妊娠中に食欲が増加!体重が増えすぎないようにするには?
妊娠中の女性を悩ませる体重管理。食欲が減退する人もいれば、食欲が増えすぎて困る人もたくさんいます。
妊娠すれば自然に体重は増えるものとはいえ、太りすぎると母体や赤ちゃんに影響を及ぼすさまざまなトラブルを抱えることに……。わかっているけど食欲が止まらない、そんな妊婦さんが体重と食欲をコントロールするためのコツを紹介します。
妊娠中に食欲が高まるメカニズム
妊娠すると、赤ちゃんや羊水、血液量の増加などで体重は必然的に増えるもの。
さらに赤ちゃんのために脂肪を蓄える働きをもつホルモンが分泌されるので、腰や背中がふっくらしてきます。
妊娠中の体重増加は、臨月で、胎児3kg、羊水500g、胎盤500g、子宮・乳房・血液・水分・脂肪の増加分3~8kg。
個人差もありますが、合計7~12kgほどが必要な増加分となります。
とはいえ悲しいかな、なかなか教科書通りにはいかず悩む妊婦さんが多いのです。
つわりが収まる妊娠中期になると反動や開放感から、猛烈な食欲が湧いてきます。
また、赤ちゃんが成長するにつれて、発育に必要な栄養分が赤ちゃんに運ばれるため、母体のエネルギーや血糖値が低下。
そうなると空腹感を感じやすく、食べたい欲求が高まってしまうのです。
妊娠中に太りすぎるとどんなリスクがあるの?
過度な体重増加を防ぐため、まずは必要以上に太ることでどんなリスクがあるのかを、しっかり理解することが大切です。
● 妊娠高血圧症候群
原因は未だ解明されていませんが、太っている妊婦さんに多いといわれています。死に至る場合もあり、また早産や流産の危険性が高まります。
● 妊娠糖尿病
妊娠すると、血糖値を下げるインスリンの働きを妨げるホルモンが活発になり、糖尿病にかかりやすくなります。妊娠糖尿病は、巨大児や先天奇形の原因になるといわれています。
● 腰痛
妊娠中は腰に負担がかかりますが、体重が増えすぎると腰痛が出やすくなります。
● 妊娠線
皮下組織が断裂し、皮膚にひび割れたような線が出る妊娠線は、おなかの大きさに関わらずできる人がいますが、短期間に急激に太るとできるリスクが増えます。
● 産後に体形が戻らない
必要以上に増えた体重を元に戻すのは大変!
● 難産
産道に脂肪がついて狭くなると赤ちゃんが通り抜けにくくなり、お産が長引きます。
妊娠中の適切な体重管理のコツ
このように、太りすぎで背負うリスクは母子ともに重大。
妊娠中の体重は、日々の食生活と適度な運動で管理するしかありません。
食欲が高まるメカニズムと過度な体重増加のリスクを理解したうえで、無理のない体重コントロールを行いましょう。
● 毎日体重を測る
体重管理は、毎日の体重測定から。1か月に1kg増を目標にしましょう。毎日決まった時間に測定するのがベストです。
● 食べたものを記録する
その日食べたものと食べた時間を書き出して日記をつけると、食事に意識を向けられるようになり、食事習慣を整えやすくなります。
● 炭水化物、間食は控えめに
白米よりも玄米、小麦粉よりも全粒粉を選ぶこと。また野菜や豆などを混ぜることで、カロリーを抑えることができます。
間食は豆腐やおから、寒天といった低カロリー食材を使って手作りするのがおすすめ。子どもが成長したときのおやつ作りにも活用できます。
● 適度な運動をする
医師からOKが出たら、軽い運動をしましょう。ウォーキングやストレッチ、マタニティーヨガなどでカラダを動かすと、食べることを考えない時間が増えるだけでなくカロリー消費にもなり、体力もつくので一石二鳥です。
● 塩分の摂取量に注意する
妊娠中は血液量が増えるためむくみやすく、むくみが体重増加の原因になっていることも。塩分を摂りすぎないように気をつけましょう。
ストイックに制限するとストレスがたまるので、たまには食べたいものを食べて、1日または数日間のトータルで調整するとよいでしょう。
妊娠中は「赤ちゃんの分まで食べて」と言われることが多いのですが、体重管理は母親としての大切な仕事と自覚して、ママも赤ちゃんも元気に出産の日を迎えてくださいね。
★今回のポイント★
・妊娠中は太りやすくなる
・必要以上の体重増加にはリスクがたくさん
・食事と運動の習慣がすべて!
・ストレスがたまらない工夫を
この記事の監修
産科医 竹内正人先生

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