妊活中に子宮筋腫が判明!子宮筋腫があっても妊娠はできる?

生理のある女性の4人に1人がかかるとされている子宮の病気、子宮筋腫。自覚症状があまりないこともあり、妊活中に診断された場合は「子宮筋腫があると子宮を摘出しなくてはならないの?」などと不安を抱いてしまいがちです。
子宮筋腫とはどのような病気で、これから妊娠を希望する場合はどうしたらいいのかなどを解説します。

子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のこと。女性ホルモンのエストロゲンにより子宮の筋肉細胞が異常増殖して発生します。

少し怖い病名ではありますが、あくまでも良性で、生理のある女性の約4人に1人が持っているといわれるほど発症頻度の高い病気です。

大きさや場所によっては手術が必要になることもありますが、基本的に生命に危険のある病気ではありません。

どんな症状があるの?

自覚症状としては、過多月経、生理痛、頻尿、便秘などが挙げられますが、初期ではこれらの症状すらない場合が大半です。

ただし、子宮内腔(子宮の内側)に向かって筋腫が発育すると、その分、子宮内膜の面積が増えるため、経血の量が増えたり、生理痛がひどくなったりするケースがあります。

子宮筋腫がある場合でも、妊娠はできるの?

妊活中に子宮筋腫がわかった場合、一番心配なのが妊娠できるかどうか。

答えから言うと、子宮筋腫があっても妊娠することは可能です。

筋腫の大きさが直径5㎝以上の場合や、小さくても筋腫ができた場所によっては不妊の原因になってしまうこともありますが、筋腫を取る手術をしたことで妊娠に至った女性は多くいます。

ただし、子宮筋腫があることによって、妊娠中も下記のようなリスクをともないます。

・子宮筋腫の位置によっては流産の危険がある

・妊娠中に筋腫が変性して、痛みが出ることがある

・逆子になりやすい

・早産の原因になることがある

このように子宮筋腫があることでリスクがあることは事実ですが、必ずしもこれらがすべて問題になるわけではありません。

筋腫のある位置、大きさなどによって、個々に状況は異なります。

子宮筋腫ってどんな風に治療をするの?

子宮筋腫があっても、小さくて症状がない場合は治療をせずに経過観察となるケースが多いのが現状です。

治療法としては、鎮痛剤を内服するなどの対症療法や、ホルモン剤で女性ホルモンの分泌を抑える「薬物療法」と、「手術」があります。

ホルモン剤による薬物療法で無月経の状態にして、筋腫を小さくしてから手術で切除するなど、ケースバイケースでさまざまなパターンが選択されます。

現在は開腹せず内視鏡によって筋腫だけを取り除く手術が多く採用されています。

また、筋腫の有無をみるエコー検査は、自費の検診で3,0005,000円前後で受けることができます。前述した自覚症状があって医師が子宮筋腫を疑う場合は保険適用になります。

子宮筋腫は悪性腫瘍ではありませんが、やはり早期発見できることは重要なこと。ほかの婦人科系の病気とあわせて、定期的に検診を受けましょう。

 

★今回のポイント★

・生理のある女性の4人に1人がもっている子宮筋腫は良性の病気

・大きさや位置によっては、不妊の原因になることも

・安全な出産のためにも定期的な検診で筋腫を早期発見しよう

 

この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医 松村 圭子先生 

初回公開日:2017710
最終監修日:2021921

この記事のキュレーター

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