こんなにつらいのに、検査しても異常なし!?カラダとココロの不調が続く「自律神経失調症」とは

病院で検査をしても特に異常が見られないのに、慢性的な疲れやだるさなどのつらい症状が続く。もしかしたらそれは、「自律神経失調症」かもしれません。
今回は、自律神経失調症の症状や治療法についてご紹介します。

自律神経失調症とは?

人間のカラダは、自律神経と呼ばれる「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経によって支配されています。

交感神経は、緊張したときやストレスを受けたときに反応する神経で、動悸が激しくなる、気持ちが高揚するなど、カラダとココロを活発にする働きをしています。

一方の副交感神経は、睡眠時などのリラックスしているときに働く神経で、カラダとココロを休めて回復させる役割を担っています。

この2つの神経が交互に働いてバランスを保つことで、カラダとココロは健康な状態を保っています。

 

ところが、何らかの原因でこのバランスが崩れることで、めまい、頭痛、手足のしびれ、不眠など心身にさまざまな不調が現れることがあります。この状態を「自律神経失調症」といいます。

 

自律神経失調症の主な症状は?

自律神経が乱れると、次のような症状が出ます。

● 身体的な症状
慢性的な疲れ、めまい、頭痛、動悸、火照り、不眠、微熱、手足のしびれ、耳鳴り、便秘、下痢など

● 精神的な症状
イライラ感、不安感、落ち込み、憂うつ、焦燥感、やる気が出ない、感情の起伏が激しいなど

以上のような症状が続くのに、病院で検査をしても異常がない場合、自律神経失調症であることが疑われます。

 

自律神経失調症の原因は?

一人ひとり症状が違うように、原因もそれぞれ違いますが、自律神経は過度のストレスや生活習慣の乱れでバランスを崩しやすいといわれています。

家庭や職場での人間関係、進学・就職などによる環境の変化などのストレス、夜更かしや長時間労働による不規則な生活、暴飲暴食などの生活習慣の乱れによってカラダが本来の生体リズムを失い、自律神経失調症が引き起こされます。

また、自律神経と女性ホルモンの分泌には密接な関係があり、思春期や更年期など、女性ホルモンのバランスが崩れやすい時期に自律神経失調症になる人も少なくありません。

 

自律神経失調症の治療法

自律神経失調症の治療は、2つに分けて考えます。

一つは、症状を和らげる薬による対症療法です。

カラダに痛みがあれば鎮痛剤、眠れない場合は睡眠薬など、症状に合わせた薬を服用します。症状を抑えることで、自律神経失調症の原因であるストレス自体を軽減する効果も期待できます。

もう一つの方法は、根本となるストレスへの対策やココロの治療です。

心身をリラックスさせ、自律神経を整える「自律神経訓練法」や、専門のカウンセラーによる心理療法を行ったりします。うつ症状や不安感が強い場合は、抗うつ剤や抗不安剤を処方されることもあります。

 

自律神経失調症は、人によって症状も程度もさまざまですが、過度のストレスが原因になっていることがほとんどです。まずはリラックスできる環境作りをしたり、生活習慣を見直し、ゆっくりと向き合っていきましょう。

 

★今回のポイント★

・自律神経失調症は交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで引き起こされる

・過度のストレスや、生活習慣の乱れが大きな原因

・治療は、症状を抑えることとストレスの緩和が中心

 

この記事の監修 
婦人科専門医  松村 圭子先生

 

この記事のキュレーター

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