mtihp-0002778

【不妊治療の基礎知識】タイミング法の次は、人工授精

不妊治療の一種である人工授精。名前だけは聞いたことがあるけれど、内容はよく知らないという人も多いでしょう。人工授精は「人工」と名付けられていますが、不自然な妊娠に至るわけではありません。むしろ、女性のカラダへの負担は比較的軽い治療です。人工授精の内容と、費用、成功率などをご紹介します。

人工授精では、健康な精子を選んで子宮へ入れる

一般に不妊治療は、初めにタイミング法で自然妊娠を狙います。それで妊娠しなければ、その後は、治療内容の軽い順に、排卵誘発法→人工授精→生殖補助医療(体外受精など)とステップアップします。このような不妊治療の流れは、ステップアップ方式、ステップアップ治療などと呼ばれています。

このうちの人工授精(AIH)は、男性の精液から元気で成熟した精子をとり出し、妊娠しやすい時期を狙って子宮内に注入するという治療法です。名前に「人工」とついているため、人為的、不自然といったイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし、第三者の手が加わる不妊治療の中では、最も自然な方法です。

ステップアップ方式で人工授精は、タイミング法や排卵誘発法で排卵日を狙ってセックスしてもうまく妊娠できなかったときに、次の手段として行われます。そのほかにも、男性の精子の数が少なかったり運動に問題があったりして自然妊娠しづらいと思われる場合や、膣と子宮をつなぐ子宮頚管の内側の粘液やその分泌に異常がある場合、勃起障害や女性器異常などでセックスそのものが難しい場合などで、人工授精は行われます。

副作用は少なく、その日のうちに帰れる

人工授精は次のような手順で行われます。

まず、超音波検査や血液検査、基礎体温などから排卵日を予測し、妊娠をしやすい日、人工授精に適した日を決めます。その際、妊娠の確率を上げるために排卵誘発剤が使われることもあります。人工授精の当日には、マスターベーションによって男性の精液を採取します。精液は洗浄され、そこから成熟した健康な精子がとり出されて濃縮されます。それを、細いチューブ(カテーテル)を使って子宮の奥へ注入するのです。注入にかかる時間は、数分程度。痛みもあまりありません。医療機関で実施したその日のうちに帰宅できます。ただ、出血や痛み、感染などの副作用がおこる可能性はゼロではありません。その後、妊娠できたかどうかの判断は、尿検査や、次の生理の有無で確認されます。

人工授精にかかる費用は、医療機関によって異なります。費用は数千円~数万円程度。保険は適用されません。
人工授精は、妊娠しやすい日に、子宮の奥へ選り分けた元気な精子を直接注入するため、通常のセックスよりも妊娠する確率が上がります。人工授精の成功率は医療機関によって差がありますが、1回あたり10~15%ともいわれています。ちなみに、厚生労働省の報告(厚生科学研究「生殖補助医療の適応及びそのあり方に関する研究」)によれば、人工授精で妊娠した例の80%は7回目以内に妊娠しており、妊娠するまでの治療回数の平均は4.6~3.6回でした。医療機関では、人工授精は女性の年齢にもよりますが5~6回を目安に行われます。人工授精で妊娠しなかったときは、次のステップとして、体外受精が検討されます。

 

★今回のポイント★

・ステップアップ方式では、タイミング法や排卵誘発法で妊娠できなかったときに人工授精が選択される

・場合によっては、最初に人工授精が選択されることも

・人工授精は、女性のカラダへの負担が少ない

・保険適用外で、費用は数千円~数万円程度

この記事の監修
産科医 竹内正人先生

この記事のキュレーター

icon_lnln_editer
生理日管理ツールの決定版「ルナルナ」が生理にまつわる悩みから妊活・妊娠・出産・育児までの困った!をサポートする情報をお届けします。
mtihp-0002778

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ルナルナの最新情報をお届けします