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年々、増えている低出生体重児。 出産前に知っておくと安心!小さく生まれた赤ちゃんの病気とNICUでのケア

早産などで小さく生まれる赤ちゃんは少なくありません。しかし、新生児医療が発達した日本では赤ちゃんが亡くなる確率は年々低くなっています。そんな新生児医療を支えているのがNICU(新生児集中治療室)。今回は、低出生体重児と呼ばれる小さな赤ちゃんが抱える合併症や障害などのリスク、そしてNICUについてお伝えします。

低出生体重児とは?

生まれたときの体重が2500g未満の赤ちゃんを「低出生体重児」といいます。
日本では生まれる赤ちゃんの数は減っていますが、低出生体重児の数は年々増えています。不妊治療による多胎児(双子や三つ子など)が増えたことや、新生児医療が進んだことで、さまざまなリスクを抱えた赤ちゃんも救えるようになったことが要因だといわれています。
赤ちゃんが小さく生まれる原因の多くは妊娠37週未満で生まれる「早産」ですが、妊娠期間が十分であっても小さな赤ちゃんが生まれることはあります。

低出生体重児は、体重ごとに以下のように定義されます。
・出生体重2500g未満:低出生体重児
・出生体重1500g未満:極低出生体重児
・出生体重1000g未満:超低出生体重児

 

低出生体重児の抱えるリスク

低出生体重児には、健康上さまざまなリスクがあります。 とくに、極低出生体重児や超低出生体重児の場合、慢性肺疾患や貧血などの合併症が起こる確率が高くなります。

<低出生体重児に起こりやすい合併症>

・黄疸(おうたん)
ビリルビンという色素が血液中に増加し、皮膚や目が黄色くなる状態。肝臓がうまく機能しないために起こります。

・貧血
酸素を運ぶための赤血球、もしくは赤血球内のヘモグロビン(酸素と結びついて運搬する役割を持つ物質)が少ないために、カラダの中に酸素が行き渡らない状態のこと。

・未熟児網膜症
早産などで出生時に未熟な状態だった網膜の血管が、枝分かれするなどの異常な発達をすること。

・脳室内出血
脳室やその周囲の血管が破れ、脳室内に血液が溜まること。

・動脈管開存症
お腹の中にいる間だけ機能し、生後自然に閉じる動脈管という血管が開いたままになり、血液が逆流する病気。

・慢性肺疾患
肺が未熟なために呼吸困難を起こし、酸素吸入が必要な状態が28日以上続くと「慢性肺疾患」と診断されます。

こうした病気が引き金となって、発達の遅れや運動障害といった後遺症が起こることもありますが、程度や予後については個人差があります。
カラダが未熟な状態で生まれた赤ちゃんが、十分に発達するまで治療・養育するのがNICU(新生児集中治療室)です。

NICUとは低出生体重児や、生まれたときから重い病気を抱えている赤ちゃんをケアする施設です。
保育器での体温管理や栄養管理、感染症の予防、人工呼吸器での呼吸サポートなどをしながら、必要な治療を行っています。

 

NICUにいる赤ちゃんに、パパ・ママができることは?

健康な赤ちゃんであれば直接授乳することができますが、NICUにいる赤ちゃんは感染症のリスクがあるために保育器から出られなかったり、自力での哺乳が難しかったりすることが多いです。それでも母乳には必要な栄養素や免疫物質が含まれているので、できるだけ与えてあげたいところ。搾乳した母乳があれば、チューブで授乳することができます。
NICUに入院すると、いつも家族がそばにいられるわけではありません。面会時間にはできるだけパパやママが会いに行き、がんばっている赤ちゃんと触れ合うようにしましょう。

 

NICUからの退院はいつごろに?

赤ちゃんの体調や発育状態によって個人差がありますが、当初の出産予定日前後とするのが一般的です。心拍や呼吸が安定していること、体重の増加が順調なこと、自力で母乳・ミルクが飲めることが退院の目安となります。

低出生体重児の場合は、NICUから出てもしばらく入院が必要な場合がありますが、しっかり育ってくれるまで病院で養育してもらう方が安心かもしれません。焦らずに赤ちゃんの成長を待ちましょう。

 

NICUの費用は?

出生時の体重が2000g以下で、「入院による養育」を医師が必要だと判断した場合、「未熟児養育医療制度」で治療費用の助成が受けられます。自治体が入院・治療費を全額、もしくは所得税課税額ごとに一部負担してくれる制度です(一部自己負担の場合の金額は、各自治体によって所得税額ごとに定められています)。また、助成が受けられるのは、各行政が定める「指定養育医療機関」を利用する場合に限られるので、対象となる医療機関や手続方法は各市町村の窓口や保険局に問い合わせてください。

なお、低出生体重児が生まれた場合、役所への届け出が義務付けられています(母子保健法第18条)。そうすることで各市町村が行う訪問指導や、保健師さんからのアドバイスを受けることができます。

低出生体重児にはさまざまな病気や後遺症のリスクがありますが、専門の医療機関や行政にサポートしてもらいながら、大事に赤ちゃんを育てていきましょう。

 

★今回のポイント★

・出生時の体重が2500g未満の赤ちゃんを「低出生体重児」と呼ぶ

・低出生体重児にはさまざまな病気や後遺症のリスクがある

・低出生体重児や疾患を抱えた赤ちゃんを養育・治療するのがNICU(新生児集中治療室)

・条件によっては入院治療費の助成が受けられる

 

 

この記事の監修
産科医 竹内正人先生

この記事のキュレーター

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