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教えて まさち先生!② 体外受精・顕微授精を知りたい! ~移植編

採卵した卵は、どんなふうに受精させるの?

1回では、まさち先生に体外受精の入口である採卵までを解説して頂きました。第2回の今回は移植についてです。

まずは採卵した卵子を、どのように受精卵にするのかを教えて頂きました。

 

まさち先生:

体外受精では、精子を洗浄(雑菌など余分なものを取り除く)、濃縮(元気な精子だけを残す)して、卵子に精子を振りかけることで受精させます(標準体外受精)。

このとき、卵子と精子それぞれの力だけでは受精しにくいと判断された場合、精子を1個だけ選んで卵子の中に入れる顕微授精を行います。これは胚培養士という技術者が、元気な精子を選んで極細の針で吸い上げ、卵子の細胞質を刺して注入する方法です。

受精が確認されたら培養して、採卵から3日目の初期胚の状態、または5日目の胚盤胞の状態まで育てて凍結させます。

 

焦らず、凍結させて子宮環境を整えよう

― せっかくできた受精卵を、なぜすぐカラダに戻さないのかと不思議に思う方もいるかもしれません。

手間と時間をかけて一度凍結するのは、なんといっても成功率に違いが出るからです。

 

まさち先生:

当クリニックでは、受精卵は98%以上を凍結しています。
受精してすぐに戻さない理由は、刺激した周期は、子宮の環境があまりよくないと予想されるからです。次の周期で戻したほうが、子宮の環境を整えられるので断然成功率が上がるのです。

凍結というと、受精卵がダメになるのではないかと心配される方もいらっしゃると思います。

たしかに海外では、凍結した受精卵が融解後に動き出す確率が90%程度というクリニックが少なくありません。逆にいうと10%はダメになるということです。

10個凍結したら1個は動かないなんて言ったら、不安になりますよね。

一方、日本の凍結の技術は世界のトップです。
当院でも凍結後の融解復帰率は99%前後です。

凍結して、融解後に動かなくなる受精卵があった場合、それは凍結操作のせいではなく、いずれ動かなくなる運命の受精卵だったと言えるくらいの数字です。
それぐらい、日本での安全性はすでに確立されています。

 

― 安全に凍結できるなら、良質の受精卵がたくさんあったほうが、当然積算の妊娠率は上がります。そして卵巣を刺激して採卵した周期ではなく、子宮の環境の良い別の周期に受精卵を戻すことで、妊娠率がさらに上がります。

 

まさち先生2図1

 

次の生理が始まってから、移植までの流れ

― では、採卵をした次の周期は、どのような流れで移植されるのでしょうか。

 

まさち先生:

まず、次の生理が来たら、2日目に受診します。これは今周期に移植までの処置をして大丈夫かどうかを確認するためです。

そして、排卵してから3日後、もしくは5日後に、移植します。
そうです、受精が確認されたら培養し、採卵から3日目の初期胚の状態、または5日目の胚盤胞の状態まで育てて凍結させたんでしたね。

だから、採卵からから3日目に凍結した卵なら、同じように今度は、排卵から3日目に融解して子宮に戻します。

5日目の凍結なら、5日目に戻すことになります。これは周期の異なる子宮と受精卵とを対話させて時間をマッチさせる方法で、クロストーク(対話)が起こるように促すことがねらいなのです。

こうして子宮と受精卵が握手できるようにして、着床が促されます。

 

― 移植は、子宮内に細いカテーテルを入れて、受精卵を入れるという処置で、時間にして12分程度です。
少し休んだら、家に帰ることができます。

移植から2週間後に血液の検査で妊娠判定をします。

 

【体外受精のスケジュール 移植までの流れ】

まさち先生2図2

 

卵胞ホルモン(エストロゲン)&黄体ホルモン(プロゲステロン)で周期を作る方法も!

― 移植は「排卵から3日目(5日目)に、3日目(5日目)で凍結した受精卵を融解して入れる」という方法で行うことをご紹介しました。

 

しかし、中にはちゃんと排卵しない人もいます。そういう人のために、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を用いて、この周期を作ることができます。自然に排卵しない人や、スケジュールを立てたい人、排卵してから移植と言われたのにうまくいかなかった人などに有効です。

 

まさち先生:

これらの薬は、排卵前後の環境を、ホルモン剤を用いて作っていくことを目的としています。はじめに卵胞ホルモン(エストロゲン)を補充することで、子宮環境を作ります。
そして後半に、黄体ホルモン(プロゲステロン)を追加します。黄体ホルモン(プロゲステロン)が入ると、カラダは排卵後の環境になったと認識します。

つまり、黄体ホルモン(プロゲステロン)の使用から3日目に、採卵から3日目の受精卵(初期胚)を移植する環境が整ったと言えます。5日目についても同じです。

 

― ホルモン剤と聞くと心配になる方もいらっしゃると思いますが、年齢が上がって卵巣機能が低下している状態を助けてくれる薬です。
不安な人は、担当医師とよく相談してみましょう。

第3回目は、仕事を続けながら不妊治療を続けることの不安についてお聞きします。

通院の時間的制約に悩む方に、まさち先生がアドバイスします。

 

― 「教えて まさち先生!」は毎週火曜日に更新されます。

次回は11/21です、お楽しみに!

 

お話をうかがった先生

先生紹介_修正2(テキスト付)

 

★取材協力★

はなおかIVFクリニック品川  
TEL:03-5759-5112
アクセス:大崎駅南口から徒歩90秒 スターバックス大崎ゲートシティー店奥

 

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この記事のキュレーター

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