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教えて まさち先生!③ 仕事を続けても大丈夫?不妊治療のステップアップ

不妊治療をしているとき、大きな負担になるのが時間的制約です。
いまは仕事をしながら治療を続ける女性が多く、「急に休めない」、「大事な会議に欠席できない」、「病気ではないため職場の理解が得られにくい」といったことが、ストレスとなっているようです。
3回目となる今回は、仕事を続けながら不妊治療を続けることについて、まさち先生にお話を伺っていきます。

仕事をしながらでも、不妊治療は続けられる

― 治療中はスケジュールがたてにくく、仕事と治療の両立に悩まれる方が多いようです。

お仕事をしながら治療を続けることについて、まさち先生はどうお考えですか?

まさち先生:

これはとても大切なポイントですよね。わたしは患者さんに仕事をやめないでほしいと思っています。

それには3つ理由があります。

1つ目は、仕事をやめると視野が狭くなりがちだからです。なかには、子どもを授かる治療のことしか考えられなくなってしまう人がいます。このような状況は好ましくないのではと考えます。

2つ目は、これも無視できない点なのですが、子どもが生まれたらお金がかかりますから、生まれた先のことも考えた方がいいということです。仕事があって、キャリアがあることそのものも大切ですが、お金が稼げるということも本当に大切なことなのです。子どもを養っていくために、仕事をがんばることは、子供のことを考えることでもあります。

3つ目は、不妊治療は結果を約束した治療ではないということです。つまり、ひょっとしてお子さんには恵まれなかも知れないという考えも大事なのです。治療が不成功で、仕事もやめてしまっているという状況は避けたいという思いです。

 

こんなことを踏まえた上で、治療スケジュールの相談をしていきます。

わたしは診察のときに、プライベートのライフスタイルもときどき聞くようにしています。

どこに住んでいるのか、どんな仕事をしているのか、それからいつ旅行に行くのか、などです。もし出張があれば、その周期はあんまり積極的に治療を進めちゃダメですし、もしくは出張があってもその周期に治療ができるように、おさえるべきところを指示してあげた方がいいと思っています。指定した日に来院できないことに対して、「仕事と治療とどっちが大事なのか」という観点で治療を考えてはいけないと思います。

来院できないことを叱っても、患者さんは悲しくなってクリニックに来たくなくなるでしょう。そうなると足が遠のいて、妊娠率も落ちるんです。

 

― なるほど。診察中の会話も、治療につながっているんですね。

仕事をしている人にとって、待ち時間が長いことはストレスになると聞きますが、この点はどうお考えですか?

まさち先生:

こちらとしても、仕事をしている人を1時間も2時間も建物の中でお待たせするのは、避けたいと考えています。なるべく待ち時間が少なくなるように努力したいと常に思っています。

でも、本当に院内が混雑しているときは、どうしてもお待たせしてしまう状況が起こってしまいます。
そこで当院では、「いまこれだけ混雑していて、あなたは何番目です」ということが随時わかるようなwebシステムを導入しています。

あと1時間はかかるからカフェに行く、という選択ができるだけで違うと思います。
また、検査結果が出るまで何分かかるかを明確にお伝えするということも大切だと思っています。
それならば、「その間の時間が使える」という考え方です。

時間の可視化は、治療技術とは関係のない副次的なことだと思われがちですが、不妊治療の実施にはとても大事なことだと思っています。

体外受精・顕微授精の時間的なスケジュール

 

― 治療のスケジュールというのは、どのように決まっていくものなんでしょうか?

まさち先生:

採卵の周期からお話すると、はじめは生理の2日目に受診します。

生理がきてすぐでもいいんですが、そうするとちょっと出血しただけなど、本当に生理かどうかわからないことがあるでしょう。
それで、慣例的に2日目にしています。

このときに、その周期にその採卵の処置をしていいかを見ます。

それから刺激方法に応じて、2~5回ぐらい受診します。

 

採卵は、生理が始まってから目安として14日目ぐらいがひとつの目安です。
刺激をするので、普段の周期よりやや早め、だいたい14日以内に採れることが多いですね。

それまでに何回か受診して、まだ成熟していなければ、刺激を続けながら待ちます。
卵子が成熟してきたと強く確信できるのは、卵の大きさが20mmを越した場合、または卵1個あたりのエストロゲンの値が200から300になった場合です。

こうなってから2日後を、採卵の日として決定します。
逆にいえば採卵日は、この2日前に受診したときでないとわからないのです。

採卵が決定した時点では、実は卵子はまだ未熟卵(成熟する一歩手前)なので、あと1日半分かけて、未熟卵を成熟させる作業をする必要があります。
つまり、採卵がだいたい朝9時からと決まっているため、その36時間前に注射や鼻スプレー(トリガー)をするんです。
ここは正確に時間を守らないと、いままでの治療の意味がなくなってしまいます。

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絶対にずらせない日だけ、がんばって!

― つまり生理の2日目の受診や診察は、少しずれても影響は少ないけれど、採卵の日はずらせないということなんでしょうか。

まさち先生:

そうですね。トリガーをかける時間と採卵の時間に関しては、ずれたとしても30分以内の誤差にしてほしいのです。
このトリガーをかけてから36時間たつと、成熟卵がよく採れるというのが、数々の臨床経験で証明されているんですよ。

それよりも早いとまだ未熟卵かもしれない、それよりも遅いと排卵してしまうかもしれないということです。

 

だいたいどこのクリニックも、採卵は朝9時頃から始めます。

9時から1520分きざみで、1人目、2人目と採卵をしていきます。
9時にするのは、受精操作をして、翌日観察できる時間が決まっているから。

厳密には、採卵してから2、3時間後には受精操作をしなくてはならないですし、受精操作をしてから1620時間後にはチェックをしなくてはならないため、おのずと採卵手術の時間は決まってきます。

そのため、トリガーと採卵の時間は守ってほしいのです。
この時間を外してしまったために、未熟卵になってしまった方もいます。

そうすると、妊娠のチャンスを逃してしまいます。

 

― もしも、指定の日に受診できないという場合は、どうしているのですか?

 

まさち先生:

はじめに相談してもらえば、ある程度は仕事をしていても融通がきく計画をたてることが可能です。

刺激を少しずつ続けながら、多少は待つことはできますし、アンダゴニストという排卵を止める薬もあります。
排卵の動きを完全に止める刺激方法もあって、その方法を選択すると予想外の排卵をほぼ防ぐことが出来るので安心できます。

ただしケースバイケースで、刺激法が選べない人もいますし、排卵の動きが始まってしまったら、採卵手術を延期するという選択は難しいですし、このタイミングでチャンスをつかまくてはダメという人もいます。

卵巣のコンディションが悪いときは、刺激を続けながら粘るのは、よくない場合が多いですね。

 

採卵の時期はどうしても読めない部分があって、それが制約といえば制約です。

基本的には、卵が育っちゃったら来ないとダメですし、採卵の時期はずらせないと思っていてください。
その日が仕事やプライベートでとても大切な日かもしれないですが、それでも1日だけ。

採卵手術の日は、なんとかがんばって来ていただきたいところです。午後には帰れますよ。

 

――― 第4回は、妊娠力アップの食事など、治療以外でできることについてお聞きしていきます。

「教えて まさち先生!」は毎週火曜日に更新されます。

次回は11/28です、お楽しみに!

 

お話をうかがった先生

先生紹介_修正2(テキスト付)

 

★取材協力★

はなおかIVFクリニック品川  
TEL:03-5759-5112
アクセス:大崎駅南口から徒歩90秒 スターバックス大崎ゲートシティー店奥

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この記事のキュレーター

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