教えて まさち先生!⑦ 男性不妊って? 知ってほしいパートナーのこと(2)

不妊の原因は女性だけにあるとは限りません。でも、子どもはほしいのに不妊治療は積極的になれない男性はたくさんいます。
不妊治療に取り組む時の、男性とのコミュニケーションの取り方について、まさち先生にお伺いしていきます。

不妊治療、男性の気持ちを考えてみよう

— 前回は男性不妊についてお聞きしました。

男性の協力が得られないご夫婦も少なくないとのことでしたが、いかがでしょうか。

 

 

まさち先生:

女性と違って、男性は不妊治療の予備知識が少ないものです。

女性は、うまく排卵してないんじゃないか、子宮や卵巣に何か問題があるんじゃないか、こんなことを知識として知っています。
つまり、いろいろな事情によって、容易には妊娠に至らないことがあることを大部分の方はわかっているんです。

でも男性は、まさか自分の精子が少ないんじゃないか、なんて全然考えになかったりします。

だから精子の検査を嫌がる男性が結構多いんです。

 

でも、男性のデリケートな部分もわかってあげないといけないのかもしれません。
ひょっとしたら、単に怖いだけなのかもしれません。

 

精子が十分いるのか、そうでないのかを早い段階で確かめることは、とても重要なことです。

なぜなら女性はマリア様じゃないですから、女性だけを診ればお子さんが来るわけではありません。

でも、「子どもは、女性が努力して連れてくるもの」と思っている男性がかなりいるんですよ。

 

 

— そうすると女性には辛いですね。

 

 

まさち先生:

女性に病院に来てもらって、卵管は閉塞していないか、子宮の形に問題はないか、排卵はちゃんとしているか、さんざん調べてずいぶん時間がたった状態で、精子検査をしたら、精子がほとんどいなかった……というのは、専門家だったら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

「いままでの時間を返して!」と思いますよ。

少し強い言葉をかけても、男性の検査をすべきだったのかな、と思うことはありますね。

_J9A7223

 

— やっぱり男性の協力が得られたほうが、成功率は上がるんですか?

 

 

まさち先生:

単純に考えるとそうですね。

初診で男性が一緒に来た夫婦というのは、治療の話が通りやすいんです。

男性側も、治療に当たる医師がどういう先生で、どういう治療方針なのかがわかります。

逆に男性側が全く治療に協力的な姿勢を見せない場合は、治療の内容や背景がわからないまま、治療に反対したり賛成したりすることになります。

 

精子検査を拒否する男性は少なくない

 

— 男性側が、精子検査を嫌がることもあるのでしょうか。

 

 

まさち先生:

精子検査を拒否する男性は、けっこう多いんですよ。

病院に一度も来てない人は、何を調べなきゃいけないのかがわからないから、怖いんです。

だから、最初に一緒に来て、当日の精子検査に同意できる人は、協力的で強い人だとも言えますね。

積極的でなくても、ちゃんと一緒に歩んでいこうとする姿勢があるかどうかは大事です。

あとは、勉強会に夫婦で参加してみてほしいですね。

知識があるかないかでは、理解が違います。

 

 

— まさち先生の勉強会はご夫婦が多くて、男性もたくさんいらっしゃいますね。

 

 

まさち先生:

一人でも全然大丈夫ですし、男性だけでいらっしゃる方もいます。

勉強会はね、「ちょっとわかってきた」、「おもしろかった」って思ってくれれば、それでいいんです。

そのために、ドラゴンボールの話や、タイムマシンの話など、男性受けする話も入れています。

金曜日の夜に呼ばれて、2時間かかる勉強会に参加することは、気乗りがしない方もいらっしゃるかと思います。
集中力も落ちてくると思いますので、後半になると雑談を増やしています。

 

 

— あの唐突に始まって、唐突に終わるタイムマシンの話、おもしろいですよね。

 

 

まさち先生:

勉強会では、「今日は雑談がおもしろかった」でかまわないんです。

まず、夫婦の治療に対するハードルを下げることが目的だからです。

それに、治療の流れや費用などもわかりますし、重要なことは紙に書いてお渡ししているので見返せます。

 

 

一緒に頑張ろうという声掛けを

 

— 男性が非協力的な場合、女性側に「こういう言葉かけをしてみたら」というアドバイスはありますか。

 

 

まさち先生:

うーん、最初に言った通り、男性って女性が思うよりずっとデリケートなんです。

「もし精子がいなかったら、どうしよう」と不安になる男性に対して、相手の尊厳を傷つけるようなことを言わないこと、これはめちゃくちゃ大事です。

 

強い言葉で何かをしてもらおうとか、夫婦関係を悪化させてしまうような言葉も避けたほうがいいです。

 

夫婦は「協力しながら進んでいく2人」であって、「争うための2人」ではないのです。

やっぱり「一緒に頑張ろうよ」、つまり“Let’s”って言わないとダメだと思います。

Shall we〜?”でもいいですよ。

 

 

— つまり、ふたりの子どもがほしいのだから、一緒に夫婦で考えよう!この姿勢が大事なんですね。

 

 

まさち先生:

あとは、女性が意外と知らないことがもうひとつあります。

セックスは男性にとって疲れるものなんだということです。

50m走をするぐらいのエネルギー消費があると思ってください。

実際、セックスレスになる理由は、男性側の疲労によるものが大きいのです。

仕事で疲れているというと、女性は「仕事のことしか頭にない」と思う時もあるかもしれません。

でも、仕事をすることがその人なりの家庭貢献の形と考えてあげてください。

実際に、子どもができたらお金かかりますしね。

不妊治療に際して、男性の理解が得られていないのか、それとも夫婦の理解のすれ違いなのか、夫婦のベクトルの方向がちょっと違うのか、この点は見定めていかないといけないですね。

 

 

— どこまで不妊治療を続けるかという点でも、夫婦の相違があると思いますが、どうでしょうか?

 

 

まさち先生:

例えば、体外受精で回数を重ねても、結果がでないことがあります。

「ひょっとしてお子さんは来ないかもしれない」、そう思う時期も来るかもしれません。

そんな時、今後のことをご夫婦でよく話し合うことが大事なことなのです。

当院では医師のほうから、治療はもうやめたほうがいいですよと言うことは滅多にありません。

それに、「子どもがいる人生といない人生、どっちが素晴らしいですか」という問いに対しては「わからない」「どちらとも言えない」が正解なんです。

それは人生のスタイルだからです。

 

——今回は、なかなか聞きにくい夫婦コミュニケーションのお話をお聞きしました。

次回はクリニック選びと転院について、まさち先生にお伺いします。

「教えて まさち先生!」は毎週火曜日に更新されます。

次回は12/26です、お楽しみに!

 

 

お話をうかがった先生

先生紹介_修正2(テキスト付)

 

★取材協力★

はなおかIVFクリニック品川  
TEL:03-5759-5112
アクセス:大崎駅南口から徒歩90秒 スターバックス大崎ゲートシティー店奥

 教えて まさち先生! ⑦のアンケートにご協力ください 

この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版「ルナルナ」が生理にまつわる悩みから妊活・妊娠・出産・育児までの困った!をサポートする情報をお届けします。


この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ルナルナの最新情報をお届けします