教えて まさち先生!⑨ 不妊治療をケアしてくれる医師とのコミュニケーション

クリニックは医療技術が大事!
とはいえ、精神的負担も大きいのが不妊治療。
医師とのコミュニケーション不足で不安が募り、転院を考える人も少なくありません。
今回は、医師との上手なコミュニケーションの取り方についてお話を伺います。

理解ある医師がいないのも転院理由のひとつ

— 専門クリニックを探して、まさち先生のところにいらっしゃる方は多いと思いますが、他の医療機関から転院してくる理由は何が多いのでしょうか?

 

 

まさち先生:

もちろん、「結果が出なかった」とか、「通いづらかった」というのが転院の理由として多いです。

「いつも違う先生で嫌だった」という人も意外と多いですね。

あとは単純に「行きたくなくなっちゃった」ですかね。理由はいろいろあるんでしょうけれど。

 

 

— 待ち時間が長く、医師の診察に不安があれば、行きたくなくなりますよね。

信頼できる腕のいい医師と安定した関係を築きたいと、患者さんは思っているはずです。

 

 

まさち先生:

自分が納得できる病院で治療を受けて頂きたいので、転院自体は悪いことではないと思っています。

もちろん当院から転院していかれる方もいらっしゃいます。

あ、でも、転院してもけっこううちに戻ってくるんですよ(笑)。

待ち時間の負担や、コミュニケーションの問題も、クリニックが患者さんのために改善していくべき大切なポイントだと思います。

 

 

— そうですね。不妊治療には精神的な配慮が欠かせないと思います。

「仕事休めないの?」とか「やる気あるの?」と先生に言われたら、落ち込んでしまいますよね。

 

 

まさち先生:

そういうセリフを頻回に言うのは不適切です。

仕事をしている人に「仕事をしているから治療に支障がある」とか、ご主人の協力が得られない方に「やる気があるのか」などとは、言うべきではないと思います。

今は仕事をしていてある程度当たり前です。

パートナーの協力を得られないのも、よくある当たり前のこと。

いまの環境の範囲でスタートすることです。

 

どうしてもこれ以外の方法が考えられないというときは、みんな忙しくても自分で調整してなんとかするんですよ。

私たちはそれを経験的に知っているので、わざわざ言う必要はないんです。

私たちはプロフェッショナルなので、それよりも妊娠成績が上がる方法や、治療のハードルを下げる方法を考えたい。

そのためのサポートが必要なのだと思います。

 

私たちも、たくさんの患者さんを診てきて、改善してきたことはたくさんあります。

仕事をしていて、次の周期来られないならどうするか、それを会話の中で察知して提案していけるように努力しています。

 

 

— そう言ってくれる医師がいると心強いですね。

不妊治療は先が見えないし、不安になるといろいろ聞きたくなってしまうものだと思います。

時間がない診察時間の中で、どこまで質問をしていいものなのでしょうか。

 

 

まさち先生:

私は、質問に対しては、すべて真摯に答えたいと思っています。

実は、一番困るのは、何を求められているのかわからない質問なんですよ。

困っていることが具体的にあって、それに答えてほしいのか、それとも不安に対して寄り添ってほしいのか、わからなくなっている方です。

 

 

— たとえば、まさち先生が回答に困ってしまうのは、どんな話をされたときですか?

 

 

まさち先生:

うーん、そうですね。

「主人の帰りが遅くて…、あと生理周期が一定じゃなくて…、でも近所の○○ちゃんはまた産まれたんですよー」

といったような話ですかね。

「あんたどうしたいねん」、「わしにどうしろって言うねん」と思うことは正直あります。

 

 

— なるほど。医師以外に話せる人がいなくて、漠然とした不安に共感してほしい、という女性は多いのかもしれません。

 

 

まさち先生:

そうですね。ここは病気を治すところではないから、自分がどうしたいかは意外と大事なんです。

病気だったらベストを尽くすしかないから、患者さんもあまり選択肢がないんですけどね。

選択肢があること自体が難しいところでもあるとも言えます。

 

治療方針はどうやって決める?

 

まさち先生:

治療の方針を考える上でも、患者さんの意思は大切です。

「とにかくお子さんがいてほしい、という人生」なのか、「お子さんがいたらいいな、という人生」なのか、人によって温度差があります。

もちろん、どちらも普通の感覚だと思います。

クリニックに来た方の全員が、夫婦で積極的に治療に専念したい人ばかりではありません。

「あなたはどうしたいの?」という点が定まらないと、治療方針が決まらないこともあります。

中には子どもを持つ人生のほうがいい、という価値観が前提ではない人もいるんです。

これも正しい価値観です。

 

 

— 「治療は長くても2年まで」とか「何歳までにできるなら」とか「できるまで全力で頑張る」など自分で決めてきている人はいます。治療にかける金額も含めてです。

でも、治療方針については、医師から「どのやり方にするかはあなたに任せます」と言われても、自分にとって何がベストなのかわからなくて、不安になります。

 

 

まさち先生:

治療については、一番最初に医師が前提をはっきり示さないとダメです。

たとえば、タイミング法は6回程度、人工授精もせいぜい6回まで、それ以上やっても効果はあまりありません。
次は体外受精が妥当です。

こういうことが統計学的にある程度明らかになっています。

これは最初に患者さんに話します。一回あたりの成功率と合わせてね。

本人の希望があったり、若かったりすれば、もちろんこの限りではありません。

逆に、年齢が40歳以上ならばこれらのステップアップはもっと短くなくてはなりません。

 

治療のステップアップの目安は実は決まっているんですよ。

2年間適切な時期にタイミングをとったけれど、妊娠に至らなかった場合、次の周期の妊娠率は2%ぐらいだと一般的に言われています。
もちろんこの数字は年齢に大きく左右されます。

人工授精を6回やってダメなら、その後は体外受精に進んだほうがいい。

なぜなら、いままでと同じ方法をやると、同じ結果が出ますよっていうのは、わかっている事実だからです。
7回目の人工授精で結果が出ることはまれです。7回目で結果が出るならば、もっと早くに結果が出ているはずです。

つまり、6回目までに結果が出るか、この方法ではダメかということです。

前述しましたが、40代で治療できる時間が短くなってきた人は、もうちょっと早めにステップアップしないとダメです。
これは大原則です。

 

こういうことは意外と広く知られていません。
このような事実は医師が患者さんに伝えないといけません。

さらに年齢やAMH、ホルモンの値を見て、出したジャッジが正しいか、少しずつ方針を修正していく必要があります。
その時の超音波所見も大変重要です。

 

 

— 治療方針やそのおよその妊娠率がわかった上で、治療法を選択できれば納得できそうですね。

こうやってきちんと対応してくれる先生かどうか、通院前に知ることができないか、という質問を受けることがあるのですが、通院前にクリニックを見ることは難しいですか?

 

 

まさち先生:

患者さんのプライバシーの問題もあるので、患者さん以外の方に院内に入ってもらうことは、かなり難しいことだと思います。

もし転院先のクリニックの様子を知りたいなら、クリニックの勉強会に参加するといいと思います。

そのクリニックの患者さんではない、一般の方の参加が可能な勉強会を開いているクリニックは結構あります。
もちろん当院もです。

医師や治療方針を知るチャンスでもありますし、時間は限られますが、本当にここに行きたいかそうでないかは、だいたい雰囲気でわかると思います。

大事なのは、通院前にあれこれ悩むことではなくて、ちょっと探してみようかなと一歩踏み出してみることだと思います。

 

—— 第10回となる次回は、皆様にアンケートで投稿して頂いた不妊治療に関する質問に、Q&A方式でまさち先生が回答します!

「教えて まさち先生!」は毎週火曜日に更新されます。

次回は1/16です、お楽しみに!

 

 

★取材協力★

はなおかIVFクリニック品川
TEL:03-5759-5112
アクセス:大崎駅南口から徒歩90秒 スターバックス大崎ゲートシティー店奥

 教えて まさち先生! ⑨のアンケートにご協力ください 

 

この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版「ルナルナ」が生理にまつわる悩みから妊活・妊娠・出産・育児までの困った!をサポートする情報をお届けします。


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