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教えて まさち先生!⑪ 今のうちから解消しておきたい不安なポイント(2)
「不妊治療中や妊活中のユーザーの質問に、まさち先生が答える!」の第2弾です。
今回は体外受精のリスクについてお聞きしました。
体外受精の治療におけるリスクはどんなものがある?
Q1)
できるだけ自然な形での妊娠が良いと思ってしまい、体外受精をためらっています。
不妊治療によって授かった子どもは障害児になるリスクが高いと聞いたこともあります。
治療による子どもへの影響はどうなのでしょうか?
まさち先生:
治療の形よりも、「より効果がある方法を選択したほうがいい」と、わたしは考えています。
なぜかというと、同じ方法を続けていても、同じ結果しか出ないからです。
体外受精が胎児にアブノマリティ(異常)を起こすかどうか、ということに関しては、昔から論じられているんですけど、この両者の明らかな関係を医学的に証明した報告というのは現在ありません。
体外受精の技術によるリスクというより、体外受精をする方たちは年齢が高いので、母児ともに合併症が増える傾向にあるのです。
体外受精の技術そのものによって、胎児によくない未来が起きるというのは、現時点では間違った情報だと思います。
また、体外受精に至った背景にも、当然注目しなくてはなりません。
例えば、本来なら精子に元気がないために生まれることのできなかった子が、体外受精では生まれてくることができます。
でもその「精子に元気がない」という体質は、次の世代に遺伝する可能性があります。
「体外受精でなければ妊娠しない」という泌尿器系の体質が、遺伝するかもしれないということ。それを忘れてはいけません。
Q2)
不妊治療で授かると、双子になる確率が高いと聞いたことがありますが、どのような場合に確率が高くなるのですか?
まさち先生:
実は日本人は、世界でもっとも双子が少ない民族なんですよ。
日本人は自然の双子は多くないのです。
でも体外受精で、受精卵を2つ移植したら、双子の可能性がぐっと高くなります。
着床の可能性を上げるために時に複数の卵を移植することがあります。
例えば、今までずっとうまくいかなかったとか、1つでは到底勝負できないグレードであるとか、高年齢でこれで治療を終了したいとか、やむを得ずに行うときのことです。
逆に、常に1個の移植ならば、双子になる確率は高くないでしょう。
また、1つしか移植していなくても2個に分かれて双子になることも時にありますが、これは運命ですね。
Q3)
体外受精が成功した後の流産は、どれくらいの確率で起こるのでしょうか。
また、自然妊娠と比較して流産になる可能性は高いのでしょうか。
まさち先生:
年齢が高ければ流産になる可能性は高まりますが、妊娠の理由が体外受精であるか否かは、基本的に関係ありません。
流産の確率は、ほぼ年齢で決まると思っていただいて、さしつかえありません。
Q4)
不妊治療をすることで乳がんや子宮がんのリスクが高まると聞いたことがありますが本当でしょうか?
まさち先生:
そんなことはありません。
治療の復帰への不安
Q5)
一度治療を休んでカラダを休めたほうがいいと思いながら、1回分、年を取って機会が失われると思うと怖いです。
ずっと治療を続けている人と、休んでカラダを整えながら治療をしていく人で、妊娠率は変わりますか。
まさち先生:
「休みながら」、というのは人それぞれ事情が違うので、妊娠率はなんともいえません。
気が向かないときに、気が向かない治療をしないほうがいいんじゃないかとは思います。
ときどき、休んでもいいんですよ。
でも、1回治療に行くのをやめると、「再開するのが面倒くさくなっちゃう」、というのもよくある現象です。
ときどき休みながらでも、「進んでいく、続けていく」ということはとても大事です。
ただ、定期的ながん検診は必ずやっておきましょう。本人が健やかであることが最優先です。
Q6)
一度治療で授かったのですが、流産してしまいました。妊活はいつ再開するのがいいでしょうか。
まさち先生:
もし、流産手術をした場合は、2周期程度お休みするのが一般的です。
そうではないのなら、流産しても次の周期から治療ができます。
遅れてきた生理と考えていいでしょう。
——ありがとうございました。リスクや流産などの不安は、最新の情報を知ることで払拭できることも多いと考えさせられます。次の最終回は、最後のQ&Aとまとめです!
「教えて まさち先生!」の次回更新は1/30です、お楽しみに!
★取材協力★
はなおかIVFクリニック品川
TEL:03-5759-5112
アクセス:大崎駅南口から徒歩90秒 スターバックス大崎ゲートシティー店奥
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