子どものいのちを守れるママ&パパになる! その⑥0歳の赤ちゃんのママパパへ、特に気をつけておきたい被災時のポイントと備え

もしも、小さな赤ちゃんと一緒にいるときに地震が来たら、赤ちゃんを守ることが出来るのはママやパパだけ。一体どうすれば良いのでしょうか?

大地震に遭ってしまったら…

「ゴーッというすごい地鳴りがして、いつもより長く、大きくて、すぐに尋常じゃない地震だと分かった。赤ちゃんのベビーベッドまで四つん這いでもなかなかたどり着けなかった」(東北ママ談)

「車に逃げ、おっぱいを飲んで私にしがみついて寝てくれましたが、何度も来る余震に、その度うめき声を上げていました」(熊本ママ談) 

大地震が来ても、赤ちゃんには状況が分かりませんが、ママやパパの表情や心の変化にはとっても敏感。

なるべく赤ちゃんに不安を与えないよう、声をかけるなどして、出来るだけいつもと同じように接しましょう。

 

赤ちゃんと逃げる場合の注意とポイント

「赤ちゃんを抱くと、手がふさがり、危険を避けたり、物を運んだりできなくなるし、体力が無くなれば手が離れ、赤ちゃんとはぐれる可能性も。その点、抱っこひもは手で抱くより軽く、両手は自由。ママと赤ちゃんを一体化するから、自分と赤ちゃんを一度に守ることが出来た」(東北ママ談)

 

災害時には、道路が壊れていたり、がれきがあったり、エレベーターが止まって階段しか使えなくなったりと、ベビーカーを使うのは物理的に不可能に。

抱っこひもは両手が空き、赤ちゃんを長時間抱いて移動したり出来るので、ベビーカーでお出かけするときも必ず1本用意しておきましょう。

おんぶは首が座っていない赤ちゃんには危険です。


「避難所はもう満員で、子連れで居る場所がなく、外のテントで生活していました」(熊本ママ談)

 

着いた人から、いい場所から埋まるので、子連れのママたちがようやくたどり着いた時には、体育館のトイレの前や入り口付近の寒い場所しか空いていないことも。

その上、大都市圏の避難所だと逃げてくる人が大勢いるため、全員入れないこともあり得ます。

「避難所に避難する」と決めたら、出来るだけ早く行けるよう、指定の避難所がどこにあるのか、火災などからも安全な場所かどうか、事前に調べておきましょう。

 

地震の後には、こんなことにも注意!

「被災後、8ヵ月の娘と半月ほど車中と避難所で過ごしました。哺乳瓶を洗うことが出来ず、離乳食もあげられず、自分が食べるものもなく、色々と大変なことが続きました」(熊本ママ談)

「被災してからおしり拭きもなく、水が出ない日が続き、子どものお尻が真っ赤にただれてしまい、とても大変でした」(東北ママ談)

「3カ月の子どもと避難所へ。ミルクがなく、指で水を飲ませました」(東北ママ談)

市役所などが避難所等に用意している備蓄品は、水や毛布など、長期間持つ、誰でも使うものがメイン。

赤ちゃんのミルクや、赤ちゃんの月齢によってサイズが異なるおむつ、アレルギー対応品など、使う人が限られているものは、ほとんど備蓄されていないと考えて。

ゼロ歳児のいるおうちの持ち出し用防災リュックには、最低おむつ、ミルク(スティックタイプが便利)、離乳食、水、抱っこひも、着替え、授乳用ケープ、ガーゼ、大小タオル、おしりふき、母子手帳、保険証、常備薬、カイロ、使い捨て哺乳瓶等を用意しましょう。

 

完全母乳育児のママも、ミルクの準備を忘れずに!

 

「完全母乳でしたがストレスで一時的に母乳が出なくなった。母乳だから大丈夫と特に粉ミルクや哺乳瓶の備えをしていなかったので、本当に困りました」(東北ママ談)

 

低月齢の赤ちゃんにとって、母乳やミルクは絶対に欠かせない栄養源。

完全母乳育児の場合、「ミルクは必要ない」と思うかもしれませんが、地震のストレスで一時的に母乳の出が悪くなるママもいたので、必ず用意しておいて。

地震の後、断水して清潔な水が手に入らない場合、哺乳瓶をきちんと洗えなくなるので、必ず使い捨てタイプの哺乳瓶を買っておきましょう。

また赤ちゃん用の水や粉ミルクがあっても、肝心のお湯が無いとミルクを作ることができません。

発熱剤と温めたいものを入れ、水を足すだけですぐ発熱し、温めることが出来る加熱袋などを準備すると安心です。

避難所に授乳スペースがないことも考えて、授乳時のストレスを少しでも軽減するために授乳服やケープなどの用意を。

 

おうちにも赤ちゃんのための安心ストックを!

今までにないような大地震が発生した場合、物資や行政の支援はすぐには届きません。

その間、何とか自力で乗り切れるように、普段あまり買い置きをしない方も、粉ミルク、水、哺乳瓶、ベビーフード、おむつなど、「今買えなくなると困るもの」は多めに買って備蓄しておきましょう

おむつ

赤ちゃんの月齢によって使用量が異なるので、以下のおむつの使用枚数を目安に準備を。

お腹をこわすことも心配されるので、少し多めに用意しましょう。

生後0~2ヶ月:1日12枚、1週間で84枚程度/生後3~6ヶ月:1日10枚、1週間

で70枚程度/生後7ヶ月~1歳:1日8枚、1週間で56枚程度

 

★おしり拭き

お口や身体を拭くのにも使えるので、1~2パックは入れておきましょう。

 

★ミルク・哺乳瓶

缶タイプは、封を切ると保存が難しいので、外出時に使える分包タイプもしくはキューブタイプのミルクを必要量準備しておきます。

(商品によって異なるので、商品パッケージで確認を。)

生後0ヶ月~:1日に7回、1回あたり80~120ml程度

生後1ヶ月~:1日に6回、1回あたり120~160ml程度

生後3ヶ月~:1日に5回、1回あたり200m程度l

生後5ヶ月~:1日に5回、1回あたり200ml程度

 

赤ちゃんにとってベストな行動は?実際にやってみよう

いざという時、赤ちゃんにとってベストな行動が取れるよう、誰も助けてくれる人がいないと想定し、昼間だったら、夜だったら、家の中だったら、外出先だったら…と色々なケースを想定してみることも大事。

持ち出し用リュックの用意が出来たら、それを実際に持ち、赤ちゃんを抱っこひもで抱いてみてください。

避難所に行くまでにかかる時間、何とか頑張れそうですか?

もし、「とてもじゃないけど重くて無理」なら、もう一度中身を見直し、物を減らしましょう。

 

この記事のキュレーター

東日本大震災の物資支援活動を機にママのための防災ブック「その時ママがすることは?」を制作し、現在、(社)スマートサバイバープロジェクト特別講師として、全国170ヵ所以上で乳幼児・未就学児ママ向け防災講座「防災ママカフェ®」を実施。9000人を超える人が参加中。

NHK教育「すくすく子育て」他、メディア出演多数。 3児のママ。

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