乳がんの基礎知識

乳がんは自分とは関係のない病気だと思っている人も多いかもしれません。
でも、若い女性でも、乳がんに気を付けなければならない場合があるんです。 正しい知識を身につけることで、あなたの大切なおっぱいを乳がんから守りましょう。

監修:ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道 院長 島田菜穂子先生

1.乳がんって、どんな病気?

乳がんというのは、乳房のなかの「乳腺」という部分にできる悪性の腫瘍のこと。乳腺のあるところなら、どこにでもできる可能性があります。
乳房のしこりや痛み、くぼみ、脇の下の腫れなどの症状で乳がんに気づくこともありますが、体調不良や食欲の減少といった自覚症状はほとんどないため、自分で意識的に乳房をチェックしない限り、早期ではなかなか気づけません。

乳がんの原因はいまだにはっきりわかっていませんが、どのような人がなりやすのかについては、少しずつ明らかになってきました。そのひとつが遺伝によるもので、一般的に乳がんに最もなりやすい年代は40~50代ですが近親者に乳がんになった方が多い遺伝的なリスクがある場合は、通常より若い年代で乳がんが発症しやすい傾向がありますので注意が必要です。
※詳しくは「若くても乳がんになる可能性はあります」を参照

そもそも「がん」とは?

私たちの体は、約60兆個もの細胞でできています。体内の細胞の活動は遺伝子によってコントロールされていますが、なんらかの理由で遺伝子に傷がつくと、細胞分裂の時に正常な細胞のコピーミスが起こり異常な細胞が増えたり広がったりします。これが、いわゆる「がん細胞」です。

実はがん細胞は1日に5,000個できているという説もあります。そうしたがん細胞と戦っているのが、免疫細胞です。免疫細胞の目をすり抜けて生き残ったがん細胞が増えて塊になると、がんになります。 

2.知っておきたい、乳がんのサイン

早期の乳がんであれば、90%以上が治ります。乳がんを早く発見するためには、日頃のセルフチェックがとても大切です。次のようなサインが現れたときは、すぐに病院を受診しましょう。

  • 乳房に触れるとしこりがある
  • 左右の乳房の大きさが違ってきた
  • 乳房にえくぼのようなへこみや引き連れができた
  • 乳頭から出血や分泌物がある
  • 乳頭や乳輪にただれがある
  • 乳首が陥没してきた
  • 皮ふの毛穴が部分的に目立ってきた
  • わきの下に腫れやしこりを感じる

etc 

3.若くても乳がんになる可能性はあります

「私は若いから、まだ乳がんの心配をしなくて大丈夫」と考えるのは、実は間違い。若い人でも、乳がんになる可能性はあります。
とくに、母・姉・祖母などの近親者が、閉経前に乳がんや卵巣がんにかかっている場合は注意が必要。一般的には20代で乳がんになることは少ないのですが、遺伝子の異常によって起こる乳がんは、通常より若い年代で発症することがわかっているのです。(遺伝性乳がん卵巣がん症候群HBOC) 

下のチェックリストにひとつでも当てはまる人は、乳がんになる遺伝子を持っている可能性が高いので、早いうちから自己検診や乳がん検診を開始するなど、きちんと乳がんに備える必要があります。


あなたの身内に若くして乳がんになった方が多い場合は、20代になったら一度乳腺専門の医療機関で乳がん検診を受けてみましょう。
家族歴やお薬の服用歴などについて乳腺の専門医(ブレストケアドクター)と相談をしたうえで、年齢ごとにどれくらいの頻度でどんな検査をしたらよいか、乳がん検診のプランを立てます。

リスクが高いからといたずらに怖がるのではなく、しっかり医師とタッグを組んで、将来の検診プランはもちろん、妊娠・出産などのライフプランも相談できるようにしておくと安心です。
また、普段から注意して自己検診を行うことも忘れてはいけません。 

4.乳がんは進行度によって、5つのステージに分けられます

乳がんの進行度は、「しこりの大きさ」「リンパ節への転移」「ほかの組織への転移」をもとに、5つのステージに分けられます。いわゆる早期がんにあたる、0期~I期の段階で発見すれば、治癒する確率は90%以上。命を落とす危険も少なく済みます。

さらに、手術後も乳房の形を保てる可能性があり、手術や治療にかかる時間や体への負担、経済的な負担も抑えられるのが一般的です。だからこそ、早期発見がとても大切なのです。

【監修】島田菜穂子先生

NPO法人 乳房健康研究会 副理事長。ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道 院長。1986年筑波大学卒業後、筑波大学附属病院、東京逓信病院勤務、同院で1992年乳腺外来を開設、1999年米国ワシントン大学ブレストヘルスセンター留学を経て2008年ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道を開院。2000年乳房健康研究会を発足し、乳がん啓発団体として日本初のNPO認証を受けピンクリボン運動を推進。日本医学放射線学会放射線科専門医、日本乳癌学会認定医、日本がん検診診断学会認定医、日本体育協会認定スポーツドクターなどの資格を持つ。

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この記事のキュレーター

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