【医師Q&A】妊娠したいという女性にとって特別な選択肢ではない?「体外受精」という選択

妊活や不妊治療について患者さんが不安や疑問に思うことを、ルナルナがズバリ専門医師に質問!!今回は、「患者さん一人ひとりに納得いただける診断や治療を提供したい」と語る松本レディースクリニックの松本先生に答えていただきました。

Q:治療のステップアップすべき?体外受精について教えてください。

人工授精にチャレンジしていますが、妊娠できなかった場合、次は「体外受精を考えてみましょう」と言われました。名前からしてとても勇気がいりそうな治療なのですが、「体外受精」について、詳しく教えてください。 

A:松本レディースクリニック 松本玲央奈先生に答えていただきました 

本来、妊娠とは「排卵」→「受精」→「着床」というプロセスを経て「妊娠成立」となります。体外受精とは、その妊娠のプロセスを助けるために、卵子が十分に成熟したところで体外に取り出し(採卵)、体外で受精させた後、発育させた受精卵(胚)を子宮に移植する方法です。 

採卵する前に、薬を使って卵巣を刺激し、複数の卵子を採卵することもあります。 

体外受精では、「採卵」というプロセスが欠かせないため、女性の心身に負担がかかる可能性あります。しかし、人工授精から体外受精へと治療のステップアップをすることで、受精卵(胚)を得られる可能性があります。胚を得られたのならば、移植することができ、あとは「着床」を待つだけとなります。それに加えて、一般的な不妊治療では知ることができない受精卵(胚)の質や状態を評価できます。 

体外受精に進んだ場合、人工授精と比べてどのぐらい妊娠確率は変わるでしょうか

人工授精とは、受精をサポートするために、排卵のタイミングにあわせて精子を子宮内に注入する治療法です。薬を使用して排卵を誘発しておこなうこともあります。人工授精による妊娠率は、およそ9%とされています。(※)

人工授精と体外受精の違い、そして体外受精の大きな特長として、体外で受精させることができるという点です。受精して胚を得られたのならば、そこまではステップとして確実にクリアしているということになります。人工授精では、体内でどこまでのステップがうまくいったのかは一切わかりません。

体外受精による妊娠率は、女性の年齢により大きな差が生じます。また、施設によっても差があるため一概にいうことは難しいですが、一般的な目安としておよそ3540いえます。(※)

日本産科婦人科学会 平成27年度倫理委員会 登録・調査より (2014年実施)

体外受精に進むことを検討したがいい条件とは、具体的にどのようなことがありますか?

例えば、「あなたは人工授精で妊娠できます」あるいは「体外受精をすれば妊娠できます」、もしくは「体外受精をしても妊娠できません」などと言うことは誰にもできません。 

妊娠するかしないかは、治療してみなければわからないというのが現状の医学で「やってみて結果が出なければステップアップを考える」という流れが、現在の不妊治療の標準的な考え方です。 

「いつになったら」「人工授精を何回したら」など、具体的な「条件」をげることは難しいですが、人工授精による結果がなかなか出ず、不妊期間が長くなってきたと感じるようであれば、体外受精を選択肢のひとつに加えてもいいと考えます。 
pixta_54538954_S

体外受精に進む場合のデメリットはどのようなことがありますか? 進むならどういう心構えや準備をしておいた方がいいでしょうか? 

わかりやすくお伝えすると、「時間」と「お金」がかかることではないでしょうか。 

体外受精は複雑な治療であり、採卵や受精のために複数回の通院や薬の使用などが必要になります。また、治療費は保険適用外(自費診療)となるため、費用は施設により異なります。自治体により助成制度が利用できることもあるため、確認するといいでしょう。 

不妊治療をおこなっているクリニックでは、体外受精についての教室や説明会などをおこなっているところも多くあります。十分に説明を聞き、よく考え、パートナーとも相談した上でステップアップすることをおすすめします。 

ステップアップするにしても、しないにしても、後悔しないような選択ができることが大切と考えます。 

妊活や不妊治療を考えている女性へなかなか妊娠できないと悩んでいるなら、まずはご相談ください」 

不妊治療を続けているにも関わらず、なかなか結果がでないときは、出口が見えず、身体的だけでなく精神的にも大変つらい日々を過ごされると思います。そんな思いに寄り添い、なんとかすべてのご夫婦、カップルの願いが叶うようにと医師やスタッフは力を尽くします。悩みや不安を抱えているなら、まずは産婦人科医に相談していただければと思います。 

今回質問にお答えくださった先生 

 

 

松本レディースクリニック 副院長 
松本レディースリプロダクションオフィス 院長 

松本玲央奈 

「不妊の原因や悩み、治療法は人それぞれです。当クリニックでは、さまざまな患者さんと向き合ってきた経験を活かし、患者さん一人ひとりに納得していただける診断や治療を提供することをモットーとしています」 

 
医学博士 
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医・指導医 
日本産婦人科遺伝診療学会認定(周産期) 

受賞歴

2015年
2015年 ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)Basic Science Award for Poster Presentation 受賞
2015年
第30回生殖免疫学会 学会賞受賞 演題名:着床における低酸素誘導因子HIFの意義 
2019年
日本産婦人科学会 平成30年優秀論文賞受賞
2019年
第71回日本産科婦人科学会学術講演会 JSOG Congress Encouragement Award 受賞
2019年
第1回SMF賞 大賞受賞
2019年
2019年度日本生殖医学会学術奨励賞受賞

 


ルナルナからお知らせ

※ルナルナサービスからのWEB予約は、
PCサイトからはご利用いただけません。
お手数ですが、ルナルナアプリもしくは
スマートフォンサイトにてルナルナにログインいただき、
「メニュー→受診サポート→検診・予約」より
ご利用をお願いいたします。

 

この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版の「ルナルナ」が不妊治療に関する不安や疑問を医師にぶつけて、不妊治療の困った!をサポートする情報をお届けします。


この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ルナルナの最新情報をお届けします