正しい知識を身につけよう!低用量ピルにまつわる噂のウソ・ホント

避妊効果だけでなく、生理痛の緩和やニキビの改善など、たくさんのメリットがある低用量ピル(以降ピル)。しかし、なぜか「太る」や「妊娠しにくくなる」といった根拠のない噂がささやかれ、そのことがピルを利用したいと考えている人たちの ハードルを上げています。今回は代表的な3つの噂について一つずつ解明。正しい 知識で、あなたもピルを利用した我慢しない生活を手に入れませんか?

その 1「ピルは副作用が強い」のウワサ

ピルに関する噂でもっとも多く聞かれるのが、「副作用が強い」ではないでしょうか。実際のところ、ピルの副作用はというと、以前に「数か月で症状軽減!マイナートラブルが起きても怖がらずに服薬を続けよう。」でご紹介した通り、初期のみ、しかも軽度であることがほとんど。カラダがピルに慣れる3ヵ月程度で、大部分が自然におさまります。

ではなぜ「副作用が強い」という噂が生まれたかというと、これにはピルの歴史が深く関わっています。日本でピルが初めて発売されたのは1957年。しかし当時のピルは含まれるホルモン量が多い【高用量ピル】で、胃腸障害や静脈血栓塞栓症などの副作用を引き起こす例が報告されました。つまり副作用が強いというイメージがついたのは、この高用量ピル時代。その後、1999年に認可された低用量ピルは、避妊効果を維持できる範囲でホルモン量の減量化が計られ、副作用の発生率は大幅に低下しました。

また、2000年代に入り、低用量ピルの種類も豊富になってきましたので、一つの薬で気になる症状が出ても、自分にあったピルを医師から処方してもらうことができます。(参考:「低用量ピルの服薬を考えている人は必見!自分に合ったピルってどうやってわかるの?」)

なお、「高用量」の頃と比べて頻度は格段に下がりましたが、血栓症という命に関わる副作用の可能性はゼロではありません。堪えられないような息苦しさや頭痛などがあった場合はすぐに服用を中止し、医療機関を受診しましょう。

 

その 2「ピルを服薬すると太る」のウワサ

噂として根強く残るのが、「ピルを服薬すると太る」というもの。これは本当か、嘘かというと、“本当の場合もあるけれど、だとしても気にするほどではない”が正 解。さらに、ピルによって増えるのは脂肪ではなく水分、つまりはむくみ。服薬直 後は、ピルのなかの黄体ホルモンによって体内の保水力が高まり、この水分が体重を増加させると考えられています。そのため急に体重が1キロ増えた!とびっくりする人もいますが、大切なことは、これは一時的だということ。カラダがピルに順応すれば落ち着くはずなので、心配しないでよいと言えるでしょう。

「ピルは太る」の派生として、「ピルを飲むと食欲が増進する」という噂もありますが、こちらも”本当の場合もあるけれどそれを知ってうまく付き合えば太らない”が正解。黄体ホルモンには食欲を増やす作用があるため、人によっては、空腹感が強くなることがあります。しかしそれを知っておいて、体重をこまめに測るなどしながら食事量をコントロールすれば実際に太ってしまうことはないはず!

さらに、23ヶ月たってもむくみや食欲増進がおさまらない、という場合も、ピルの種類を変えれば解消されることがほとんどです。私にはピルは合わない!と決めつけず、かかりつけ医に相談してみましょう。

その 3「ピルを服薬すると妊娠しにくくなる」のウワサ

将来、妊娠・出産を望む女性にとって無視できないのが「ピルを服薬すると妊娠しにくくなる」という噂です。しかしこの噂に関してはまったくの「嘘」。長期間服薬していてもやめた後の妊娠率が低下するといったデータはありません。また、ピルには不妊の原因となる子宮内膜症の進行を抑える作用があるため、妊娠しにくくなるどころか、むしろ不妊症を予防する可能性があるとも考えられます。

一般的にピルの服薬を中止すると排卵が再開します。再開するまでの期間には個人 差があるものの、カラダは徐々に妊娠できる状態に戻っていきます。服薬を止めたのに妊娠しないということであれば、ピルの服薬とは関係なく、もともと妊娠しにくい体質である可能性や、婦人科系の病気にかかっている可能性も。妊活をスタートするなら、早めにかかりつけ医に相談することをオススメします。

疑問があればかかりつけ医師にて確かめよう

歴史をひもとけば成り立ちが分かる噂もあれば、はっきりとウソの噂もありまし た。ピルの服薬を考えているなら、噂ではなく、厚生労働省や医師などきちんとした専門家が発信する正しい情報で判断するべきです。まずは気になることを気軽に 相談できるかかりつけ医師を見つけ、安心してピルのある生活をはじめましょう。

 

この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医  甲賀 かをり先生

 

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この記事のキュレーター

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