聖マリアンナ医科大学病院 産科・婦人科

【医師Q&A】専門医のもとで行うタイミング法ってどんなもの?赤ちゃんを授かる確率は?

妊活や不妊治療について患者さんが不安や疑問に思うことを、ルナルナがズバリ専門医師に質問!!今回は、「将来の妊娠の可能性を高めるためにも、もっと気軽に産科・婦人科受診を」と語る聖マリアンナ医科大学病院 洞下由記先生に答えていただきました。

Q:タイミング法とは具体的にどのように行うのか教えてください。

妊娠を望んでいましたが自然な形では授からず、医師に相談しようと考えています。不妊治療ではまずタイミング法というのを教えてもらうと聞いたのですが、どんな方法なのでしょうか?また、妊娠する確率はどのくらいでしょうか?

A:聖マリアンナ医科大学病院 洞下由記先生に答えていただきました。

タイミング法とは、不妊治療の最初の段階で、医療機関で排卵日を確認しながら妊娠しやすいタイミングでセックスすることで妊娠を目指す方法です。

医療機関でタイミング法を進める場合には、排卵予定日の数日前に超音波検査(経腟超音波検査)や尿検査、場合により血液検査も行い排卵日を予測することから始まります。経腟超音波検査では、卵巣にある卵胞(卵子が入っている袋)の大きさを計測します。

卵胞は少しずつ成長して排卵する頃には約18~24mmになるため、その大きさを測ると排卵日を予測できるのです。排卵日の特定までには、人によって1~3回ほど通院して経腟超音波検査を受けるのが一般的です。補助的に、尿検査で尿中の黄体形成ホルモン(LH)を調べることで排卵日の予測も行います。

なお、そもそも妊娠するためには、受精できる精子があり、かつ卵管に問題があってはいけません。そのため経腟超音波検査などと並行して、精液検査や卵管疎通性検査も受けておくこともお勧めします。

不妊治療の多くは保険適用外ですが、タイミング法では概ね保険が適用されるため、1回の受診につき数千円程度で済むケースがほとんどです。ただし、医療機関によって保険適応の有無に違いがあるため、受診前に問い合わせておくと安心です。

タイミング法を進める場合に、日常生活で取り組みたいことや気をつけるべき点は?

まず取り組んでほしいのは、基礎体温の計測です。

基礎体温から正確な排卵日を事前に予測することはできませんが、定期的に記録すれば、自分の生理周期や大体の排卵時期を把握することができますし、体の状態をチェックする手がかりにもなります。

正常な排卵がある女性の基礎体温は、低温期と高温期を一定の周期で交互に繰り返しています。基礎体温は、外気温や発汗状態によっても変化するので、きれいに低温期と高温期に分かれていなくても、大まかに2層になっていれば問題ありません。逆にいうと、周期に極端な乱れがあれば、何らかのトラブルが起きている可能性があります。

基礎体温とあわせて排卵日予測検査薬を併用し、排卵日予測をすることも可能ですが、1日2回確認しないとうまく陽性が出ないことがあります。また、黄体形成ホルモン(LH)の検出をベースとするため、LHがもともと高い体質の人(多嚢胞性卵巣症候群や高齢の方)は排卵検査薬がいつも薄く陽性に出てしまうことがあり、注意が必要です。

なお、生理周期が不安定な人は、基礎体温や生理周期管理アプリなどを使って自分で排卵日を推定すること自体がそもそも難しいので、早めに医療機関を受診してまずは生理不順の原因を探った上で、タイミング法の指導を受けましょう。

診察時のイメージ

セックスの機会を増やすことも大切です。排卵日以外にもセックスをした方が、妊娠率は高まるといわれています。卵子が排卵後24時間で死んでしまうのに対し、精子は2~3日の間卵管内で生存できるので、排卵日当日や排卵日の後より、排卵日前(生理終了から排卵日までの間)にセックスすると、より効果的といえます。

とはいえ、絶対にその日でないと妊娠できないということはないので、タイミングにとらわれすぎてストレスをためないようにしましょう。セックスのタイミングをパートナーに伝えるのが苦手な人は、生理予定日や妊娠確率の高い日をパートナーにメールでお知らせしてくれるルナルナの「パートナー共有機能」などを利用してみてはいかがでしょうか。

タイミング法では、実際どのくらいの妊娠の確率があるのでしょうか?タイミング法で授からない状態が続いた場合、他の治療方法へ進む条件とは?

タイミング法による妊娠率については正しい統計が取れていないため示せませんが、妊娠率が低下する一番の要因は年齢であることがわかっています。年齢を重ねると、排卵は毎月規則的に起こっているのですが、妊娠する力を持った卵子が排卵する確率が減ってきます。

妊娠する卵子があたりだとすると、あたりが排卵する確率は20代では2~3回の排卵に1回、30代前半では3~4回の排卵に1回ですが、30代後半では5~6回の排卵に1回、40代では毎月排卵は起こりますが、あたりが排卵するチャンスは1年に1回くらいまで減ってしまいます。

タイミング法から次の治療方法へ進む時期も、年齢によります。目安としては、タイミング法を半年続けて妊娠しなければ人工授精を検討し、人工授精を半年(6回)続けて妊娠しなければ体外受精を検討するのが一般的ですが、35歳以上であれば、より早くステップアップしてもいいと思います。

35歳を過ぎると妊娠率は低くなってきますので、妊娠を望むなら、早めの治療開始が勧められます。基本的な検査やタイミング療法は一般の産科・婦人科でも可能です。

不妊治療専門の医療機関のメリットとして、院内での検査設備が整っているので、検査日の制限が少なく、結果が早く出たりする点が挙げられます。35歳以上の人や治療を急いでいる人は、初めから不妊治療専門の医療機関をお勧めします。

また、定期的に通うことになる可能性もあるので、近場や通勤途中に立ち寄れる範囲内で探してみるといいでしょう。

妊活や不妊治療を考えている女性へ

「妊娠に備えて、いつでも相談できる産科・婦人科のかかりつけ医を見つけましょう」

妊活や不妊治療を考えている人はもちろん、現時点ではまだ考えていない人も、産科・婦人科のかかりつけ医を持ってほしいと思います。 なぜなら、普段から産科・婦人科を受診して自分の体質や妊娠に関する知識などの情報を得ておくことで、赤ちゃんがほしいと思ったときにスムーズに妊活を進めることができるからです。

たとえば子宮筋腫があるとわかっていれば、早めに手術などの治療をしておくことで、将来の妊娠の可能性を高められるかもしれません。 20歳を過ぎたら毎年、産科・婦人科で子宮がん検診と超音波検査を受けることも大切です。子宮がんになって子宮を摘出することになれば、妊娠は不可能になってしまいます。かかりつけ医を見つけて体のメンテナンスをしながら、生理や体のことで気になることがあれば「こんなことを相談してもいいのかな」なんて思わず、もっと気軽に受診してください。

また、結婚してしばらくは二人の生活を楽しみたい、自然に妊娠を待ちたいという気持ちはよくわかるのですが、妊娠には女性の年齢のリミットがあります。結婚は早かったのに、受診が40歳を過ぎ治療をしても妊娠まで至らず、もっと早く受診してもらえたら、と悔しい思いをしたことが何度もあります。

35歳を過ぎたら、早めに妊娠についてお考えいただき、早めに受診をして、自分にあった適切なアドバイスを医師から受けてもらえたらと思います。

今回質問にお答えくださった先生

聖マリアンナ医科大学病院 産科・婦人科

聖マリアンナ医科大学病院 産科・婦人科
助教  大学病院産婦人科医長
洞下由記(ほらげ・ゆき)

「当大学の理念である『生命の尊厳』を重んじ、専門の医師が愛ある医療を提供しています。産科には、不妊治療を行う生殖医療センターも。なかなか赤ちゃんを授からずに悩んでいる人は、ぜひ一度ご相談を」

医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医

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この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版の「ルナルナ」が不妊治療に関する不安や疑問を医師にぶつけて、不妊治療の困った!をサポートする情報をお届けします。


聖マリアンナ医科大学病院 産科・婦人科

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