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コロナ禍で増えた10代の「予期せぬ妊娠」の相談。不安を感じている女性たちへ支援者が伝えたいこと

いま、10代からの「望まない妊娠」相談の増加が社会問題になっています。理由として考えられるのは、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう休校措置や、外出自粛の影響。実際にどのような数字で表れているのか、彼女たちはなぜ望まない妊娠をしてしまったのか。
若年層へ正しい性の知識を啓蒙していきたいルナルナは、「にんしんSOS東京」を運営するNPO法人ピッコラーレの土屋麻由美さんに話を聞きました。今望まない妊娠に悩んでいる方・不安に思われている方から、これからの人生や異性との付き合い方を考えている若い女性の皆様にぜひ読んでいただきたいです。

10代の相談者数が昨年と比べて1.8倍に増加

「にんしんSOS東京」は、妊娠にまつわる全ての「困った」「どうしよう」に寄り添う相談窓口です。

思いがけない妊娠に戸惑い悩む人がいれば、その気持ちに寄り添い何度でも相談を行い、必要な情報を伝えたりしながら、その人がどうしていったら良いかを自己決定していくお手伝いをしています。場合によっては、別の相談窓口(性暴力支援センター・近隣のにんしんSOS相談窓口・特別養子縁組団体など)にお繋ぎしたり、必要であれば、行政や病院にも同行します。全国どなたでも無料で相談が可能です。

コロナ禍の休校措置期間とほぼ重なる3月1日から5月31日までの3ヵ月間、「にんしんSOS東京」における、新規相談者の数が358人と昨年の同時期と比べて1.2倍増加。なかでも10代の相談者数は1.8倍にも増え、15歳未満の相談者数も2人から8人に増加。また「20代」とまとめられているため数字では見えにくいものの、大学生の相談者数も増えたといいます。

妊娠SOS東京グラフ01

「にんしんSOS東京」に届いた10代、20代の相談では、「親に相談ができない」「お金がなくて受診ができない」「中絶も出産も怖くてできない」「中絶をしてもいいのか。殺人と同じではないのか」といった内容が並び、若い女性たちのとまどいや悩みの深さが伺えます。

NPO法人ピッコラーレの副代表であり、助産師としての立場から支援に取り組む土屋麻由美さんは、「相談窓口の相談は年々増加傾向ではあるため、若年層の相談者数の増加がコロナの影響かどうかは、もう少し統計をとってみないことには、はっきりと分からない」と前置きしながらも、「休校によってお家デートが増え、性行為を体験する頻度が高まったことは、相談からもうかがえます」と話します。

正しい避妊を行える人が減った背景も

「にんしんSOS東京」に届く相談は、「妊娠してしまった」だけではなく、妊娠が確定する一歩手前の段階のものの相談も多く寄せられます。10代に限って見ると83%ほどが「避妊がうまくいかなかった」「妊娠してしまったかもしれない」という確実に妊娠したと判断を受ける前の相談だといいます。

避妊方法に関しても、昨年と今年ではデータに大きな違いが出ています。

「コンドームを挿入前から装着している」「低⽤量ピルを内服」と答えた相談者数は51%から32%に減少。一方で「コンドームを途中から装着」、「膣外射精」、「避妊していない」と答えた人は32%から43%に増加しました。なぜ正しい避妊ができなくなっているのか。ここには少なからずコロナの影響があったのではと土屋さんは指摘します。実際、「自粛の影響でコンドームを買いにいけなかった」「家でのデートが増え、その場の雰囲気に流されて膣外射精でしてしまった」といった相談の声が多く寄せられたといいます。

妊娠SOS東京グラフ02

なかには避妊に対する知識そのものが間違っている場合も。

「コンドームをつけたから妊娠はしないはず」、「1回性行為をしただけでは妊娠はしないですよね?」「排卵予定日からはずれているから、避妊はしなかった。妊娠することはありますか?」といった声が届けられた他、そもそも緊急避妊薬(アフターピル)の存在を知らない人もいたり、「必要な避妊の知識がまだまだ若年層に広がっていない」と土屋さんは話します。

さらに今年はコロナの影響で、中学校や高校で卒業前の時期に開かれる性教育の授業がのきなみ中止に。性教育の外部講師も務める土屋さんは、コロナによって正しい知識を得る機会が失われたことにも警鐘を鳴らします。

知識だけでは「思いがけない妊娠」は無くせない

一方で、「正しい知識」だけで思いがけない妊娠が無くせるのかというと、「そうではない」と土屋さん。

10代、20代の女性の相談を受けるなかで、知識を与えるだけではなく、相手との対等な関係の築き方、性的同意の取り方についても伝えていく必要があることを、実感しているといいます。

「避妊してほしいと言ったのに、相手から大丈夫だと押し切られた」「最初はコンドームをつけてくれていたので安心していたら、付けていない時もあったと後から聞かされた」「生理が遅れていることを言ったら、彼に負担をかけるので、相談していない」など、立場が対等ではなく、それなのに避妊を強く言い出せなかった自分を責めている女性は多いです。また「妊娠の可能性を告げたら、SNSでのつながりをブロックされ、相手と連絡がとれなくなった」など、そもそもSNSでの連絡手段しかなく、相手の背景をくわしく知らないまま関係をもった状態で妊娠が発覚し、どうしたらいいのかと相談される女性も多くいます。

またその他、「親から虐待を受けて家出中で、頼れる人がいない」、「体調不良で休んでいたら仕事を解雇され、友人宅を間借りしている状況で金銭もなくなってきていて親も頼れない」など、その人がもともと抱えていた家族関係や、生活困窮の問題が、このコロナ禍と妊娠により、もう、自分一人ではどうすることもできなくなり、SOSを出してこられるという方も少なくはありません。

妊娠・避妊で困ったなら、どんなことでも相談を

「だからこそ勇気をもって相談してきてくれた相談者さんに対して、ねぎらうことはあっても、責めるようなことはしません。まずは傾聴。相談者さんの話をじっくり聞くことからスタートします。とくに。未成年の方は、みんな避妊や妊娠でトラブルを抱えると、“怒られる”と思っています。しかし仮に出産できないという選択をすることになったとしても、それは、その人が悩んで考えて出した選択であれば、私たちはあなたが選択したことを尊重しますよ、というスタンスで相談にあたっています。」と土屋さん

特定非営利活動法人 ピッコラーレ 土屋麻由美さん(ピッコラーレより提供)

「にんしんSOS東京」では、妊娠に関するあらゆる相談を、東京に限らず全国から受け付けています。知識や情報の提供のほか、必要とあれば病院や福祉施設、母子支援施設、生活保護支援窓口にも同行するそうです。

土屋さんは「お金がない、中絶できる時期を過ぎた、生活が厳しくて育てられないといった人も、あきらめずに相談していただきたいです。また、中絶をした後に苦しい思いをされていらっしゃる方からのご相談もお受けしています。」と話します。

「にんしんSOS東京」では相談は無料ですが、通信料1回30円ほどかかります。無料通話アプリからですと無料になります。電話は年中無休で16:00~24:00(受付は23:00まで)、メールでの相談は24時間受け付けています。スマートフォンのアプリで生理日を管理している人は、直近3ヵ月の生理日を伝えられるようにしておくと、電話口でもスムーズに相談ができるので事前に確認しておきましょう。

妊娠SOS東京
https://nsost.jp/
電話で相談する:03-4285-9870 |年中無休、16:00~24:00(受付は23:00まで)
◎メールで相談する:https://nsost.jp/contact_p|年中無休、24時間受付
 面会・同行支援、関係施設や協力団体への紹介も行なっています。
 医療・福祉系国家資格保持者等で構成された相談チームが対応しています。
<運営団体:特定非営利活動法人 ピッコラーレ
ピッコラーレは、「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せに生きることができる社会の実現を目指します。

避妊に関する情報はルナルナアプリでも確認できます

ルナルナアプリの中でも「知っておくべき避妊方法について」や「予期せぬ妊娠をしてしまったら」「妊娠可能性の注意」という情報を基礎知識としていつでも確認いただけます。アプリメニューからその他/基礎知識からご確認ください。

この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版「ルナルナ」が生理にまつわる悩みから妊活・妊娠・出産・育児までの困った!をサポートする情報をお届けします。


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