いつか赤ちゃんが欲しいとおもっているなら、心配事はためらわず婦人科へ!

※記事上部の写真はイメージです Image Source/gettyimages

そもそも妊娠のしくみ、男女の体のこと、卵子や精子のことについてきちんと教えてもらったことがないと思いませんか?

今回は、男女の身体の基礎知識として、「妊娠に必要な生理のしくみ」について、産婦人科医の竹内正人先生にききました。

「妊娠力アップのための基礎知識」 #4

※参考:「妊活たまごクラブ 2021-2022年版」

 

生理には4つの周期がありどれも妊娠には大切な時

生理(月経)は、女性にとって妊娠するために必要不可欠な体の働きです。

まず、脳から女性ホルモンに卵巣を刺激するように指令が出されると、毎月20個程度の卵胞が成長して卵子になります。
次の排卵期で、卵巣からたった1個の卵子が出され、卵管で受精に備えます。そして黄体期になると、子宮の内膜が最も厚くなり着床の準備をします。

ここで受精が成立しないと、卵子は消滅し、子宮内膜も剥がれ落ちて月経となります。毎月のことなので面倒に思われがちですが、生理は「今月も、赤ちゃんを迎える用意をしていましたよ」という大事なサインなのです。

生理のバイオリズム


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生理には、月経、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの周期があります。女性ホルモンの働きによって、女性の体が妊娠できるように整えています。
生理の周期は25~38日、月経は3~7日間続きます。

●周期1:月経
妊娠が成立しなかったために、子宮内膜が剝がれ落ちて、血液と一緒に体外に出てくるのが月経です。月経の期間には個人差があります。

●周期2:卵胞期
卵巣で毎月20個程度の卵胞が成長し、最終的にそのうちの1個が成熟し排卵します。同時に子宮内膜も厚くなります。卵胞期は6~7日間程度で、生理周期の中でもいちばん体調のよい時期。

●周期3:排卵期
卵巣で成熟したたった1個の卵子が卵巣から飛び出し、排卵します。
卵子は卵管にとらえられて受精に備えます。排卵期は排卵の前後4~5日間くらいのことをいいます。

●周期4:黄体期
子宮内膜が最も厚くなる時期です。排卵によって女性ホルモンのバランスが変化し、便秘や肌荒れ、イライラが起こる人も。

女性ホルモンの変化

女性ホルモンのうち卵胞ホルモン(エストロゲン)は子宮内膜を厚くし、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜を着床しやすく整えます。
整理はこの2つが入れ替わり働いて起こります。

生理にまつわるトラブル

●PMS
生理前の黄体期に、女性ホルモンの変化が原因で、便秘や肌荒れ、イライラなどの症状が出ることをPMS(月経前症候群)といいます。
個人差がありますが、生理後も症状が続く場合は、別の病気の可能性もあるので医師に相談を。

●生理痛
下腹部が重くなったり痛んだり、生理中はだれでも多少の違和感があるもの。
ただし、寝込んだり貧血を起こす場合は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因の場合も。
痛みがひどくなった場合は、早めに受診しましょう。

●生理不順
生理の間隔が25日未満、もしくは39日以上の場合を生理不順といいます。
生理不順は不妊の初期原因の一つ。適切な周期で生理が来ない場合は、排卵が起こっていない可能性もあります。短かすぎても長すぎても婦人科に相談を。

●不正出血
生理中以外の出血は、排卵がうまく行われていなかったり、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣や子宮にトラブルがある可能性も。
排卵期に起きる少量の出血など病気でないものもありますが、自己判断せず婦人科で検査をしましょう。

●“おりもの” や “かゆみ”
おりものは無色透明で、下着についても薄い黄色程度。黄色や褐色だったり、かゆみや痛みがある場合は、細菌性腟炎やクラミジアなどの疑いも。
放置していると不妊につながる場合もあるので、早めに治療をしましょう。

婦人科のかかりつけ医を持とう

生理のトラブルや排卵しているかどうかなど、何か心配事がある場合には、ためらわずに婦人科を受診しましょう。自治体の無料クーポンを利用したり、子宮がんや卵巣がんの検診も定期的に受けると安心です。
この先、閉経や更年期障害など、女性の体には、一生を通じていろいろなトラブルが発生する可能性があります。
いつでも相談できる婦人科のかかりつけ医を持って!

■監修/竹内正人 先生

●取材・文/長谷川華

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

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この記事のキュレーター

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