「私たちって不妊?」男女一緒にトライしよう“不妊症になりやすいかも”チェックリスト

妊活をしているのになかなか妊娠しない、もしかして不妊症? でも不妊治療ってどんなことをするのかわからなくて不安……。
大丈夫です。不妊治療はいきなり難しいことをするわけではありません。自分の体を知ることから!と思って、スタートしましょう。
今回は、男女両方にある『不妊症の原因』について、齊藤英和先生に詳しく解説していただきました。

「妊活を始めたけれど……、そろそろ専門クリニックへ!? 受診する前に知っておきたい不妊治療スタートガイド」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 2023-2024年版」

基本的な健康状態と、生殖に関する状態両方をチェックしてみよう

不妊症の原因は、男女それぞれにあります。女性の場合は、年齢とともに健康な卵子の数が減っていくため、受精する力や、受精後に受精卵が順調に育つ力が弱くなります。男性も、年齢が高くなると妊娠させる力は徐々に落ちますし、若くても男性の5%が不妊というデータもあります。

また、生殖機能以前の問題として、そもそもの健康状態が大切です。妊活は妊娠することだけが目的ではなく、出産、育児へと続くので、健康な体であることは妊活の基盤です。食事や運動、休養はもちろん、体調を整えることを意識して。冷えや過度なストレスを避けて、喫煙やお酒の飲みすぎは控えましょう。

『不妊症になりやすいかも?』チェックリスト

1つでもあったら必ずも不妊症というわけではありませんが、注意したほうがよい項目です。

●カップル共通でチェック

<これまでの病歴>
□常用している薬がある
□精神安定剤を服用している
□性病にかかったことがある
□下腹部を切開する手術を受けた経験がある

<生活習慣>
□BMI値(肥満指数)が18.5未満
□BMI値が25以上
□喫煙する
□毎日大量に飲酒する

<メンタル>
□日常的に強いストレスを感じる
□仕事が忙しく、休息時間が少ない
□性欲がわかない
□半年以上、セックスレス

●女性の体についてチェック

<月経について>
□生理痛がひどい
□経血の量が大量または少なすぎる
□月経の周期が25日未満または39日以上

おりものについて>
□おりものが常に大量
□おりもののにおいがきつい
□おりものが濃い黄色をしている
□おりものが白くてポロポロしている

<体調について>
□貧血に悩んでいる
□無理なダイエットで急激にやせた
□乳汁が出ることがある

<中絶・流産の経験>
□中絶を一度でも経験している
□妊娠4ヶ月以降に中絶したことがある
□流産を3回以上経験している

●男性の体についてチェック

<射精>
□射精までが早すぎる
□射精までに時間がかかりすぎる
□射精しても快感が少ない
□朝に勃起しない

<男性器>
□睾丸が小さい、軽い
□精液が濃い黄色や赤みがかっている

サウナ好き男子は不妊になりやすいってホント!?

精子は高熱に弱いため、陰嚢は体の外側にあります。サウナだけでなく、長時間座りっぱなしで股間に熱がこもる生活をしていると精子の量や質に影響します。
サウナに行くと必ず不妊になるわけではありませんが、もしなかなか妊娠しないということであれば、こうした生活に関する習慣も見直してみるといいでしょう。

もし、なかなか妊娠しなかったら…妊娠成立までのプロセスのどこに原因があるの?

(1)排卵

卵巣から排卵された卵子は、卵管の先端にある卵管采に取り込まれ、卵管膨大部で精子を待ちます。排卵がうまくいかない原因は、卵巣の病気以外にストレスなどの影響でホルモン分泌がうまくいかない場合もあります。

●ダイエット・ストレス
●高プロラクチン血症
●多嚢胞性卵巣症候群
●早発卵巣機能不全

(2)セックス

卵子や精子の状態に問題がなくても、セックスそのものがうまくいかなければ妊娠はできません。性欲はあっても勃起しなかったり射精できなかったりなど、男性側に原因があることが多くあります。

●逆行性射精(精液が男性の膀胱に逆流する)
●射精障害/勃起障害(ED)など

(3)精子が卵管を進む

卵管膨大部で待機している卵子まで精子が進むとき、精子の数が少ない・動きが悪い場合や、卵管が狭い・詰まっているなどトラブルがあると精子がうまく進めず、精子と卵子が出会えないことに。

●精子の動きが悪い、数が少ない
●造精機能障害(精索静脈瘤、停留精巣、染色体異常など)
●精子成熟・保護障害(副睾丸炎、前立腺炎など)
●精路障害(輸精管閉塞など)

(4)卵管膨大部で精子と卵子が出会う(受精)

卵子と精子が出会えても、卵子が精子に対してアレルギー反応を起こす抗精子抗体があると、精子が動けなくなります。また卵子・精子が老化していると受精しないことも。

●卵管閉塞・狭窄(クラミジア卵管炎など)
●卵管周囲癒着 (骨盤腹膜炎、子宮内膜症など)

(5)受精卵の発育・移動

受精できた卵は細胞分裂しながら子宮に向かって卵管を進みますが、卵子・精子それぞれが老化していると細胞分裂がうまくいかないことも。また、卵管に炎症があると子宮に進めないこともあります。

(6)着床

細胞分裂して胚盤胞になった受精卵は子宮内膜に着床します。子宮筋腫などの病気で子宮内膜が着床しにくい状況だったり、黄体機能不全で子宮内膜が成熟していないと着床できないことも。

●子宮奇形 
●子宮発育不全
●子宮筋腫
●子宮内膜ポリープ・子宮内膜炎
●アッシャーマン症候群(子宮腔癒着症)
●「子宮内フローラ」の問題

その他の原因

排卵・卵管・子宮・男性因子のどれにもあてはまらないことが原因になっていることも少なくありません。腟や頸管、体内に入ってきた精子に対する反応のトラブルなどがあります。

たとえば……
●腟因子(処女膜閉鎖、腟閉鎖、腟欠損など)
●子宮頸管因子(頸管炎、頸管粘液不全など)
●免疫因子(抗精子抗体など)
●子宮内膜症

■監修

齊藤英和 先生

■イラスト/牛久保雅美
■取材・文/関川香織

※記事掲載の内容は2023年2月25日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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この記事のキュレーター

妊娠・出産・育児の総合ブランド「たまひよ」。雑誌『妊活たまごクラブ』『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を中心に、妊活・妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。


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