ピル=避妊薬だけじゃない! 生理痛がつらいなら相談を

女性の体が妊娠するために必要不可欠な生理。意外と知らない生理について男女ともにわかりやすく学べるようまとめました。
今回は生理痛がつらすぎる人は必見の「ピル」についてです。
ピル=避妊薬ではありません!つらい生理痛を和らげる正しいピルの使い方について基本を紹介します。
※本記事では低用量ピル(OC/LEP)をピルまたは低用量ピルと表記しています。

監修の先生

「自分の体を知れば、毎日記録するのが楽しくなる 私の生理NOTE」 #4
※参考:「妊活たまごクラブ 2022-2023年版」

 

生理による体の負担を軽減するのはピルです

「ストレス社会の現代、重い生理痛や生理不順に悩んでいる人が少なくありません。でもこうした悩みから解放してくれるのがピルです」と宮﨑先生。

ピルは避妊薬というイメージが強く、まだまだ抵抗感がある人が多いかもしれませんが、「女性ホルモンが含まれている低用量ピルは、生理周期を整えたり、生理痛を軽減する効果があります」(宮﨑先生)。

服用後、吐き気やだるさを感じる場合がありますが、いったんホルモンが安定すれば、その症状が消える人がほとんどだそう。
生理痛に悩まされているなら、ピルの処方を専門医に相談するといいでしょう。

ピルがいいといわれる3つの理由

大きく3つの理由を説明します。

【理由1】生理の周期を規則正しく整える

ピルを飲むと、女性ホルモンの量の変動が少なくなるため、血中のホルモン量が安定します。その結果、肉体的にも精神的にも安定して、生理による不快な症状がやわらぐというわけです。
また、ピルを正しく服用することで、一定の周期で生理が来るようにコントロールすることができます。生理不順に悩んでいて、ピルを試したことがない人は、ぜひ検討してみて!

【理由2】生理痛や月経量を軽減してくれる

排卵時、受精に備えてふわふわに厚くなる子宮内膜。この厚くなった子宮内膜には、プロスタグランジンが含まれており、これが子宮収縮を促すと同時に痛みの原因になっています。
ピルに含まれているホルモンは、子宮内膜の増殖を抑えるため、生理痛が軽くなり、経血量が少なくなるのが普通です。中には、経血がまったくなくなることもあります。

【理由3】子宮内膜症や、さまざまな病気の予防にも役立つ

ピルには女性特有の病気を防ぐ作用もあります。たとえば子宮体がんは、卵胞ホルモンが過剰になる一方で、黄体ホルモンが少なくなるときに発生しやすくなる病気。しかし、ピルは黄体ホルモンの量を一定に保つ働きがあるため、発生率が下がることがわかっています。
また、ピルが排卵を抑えることで、卵巣がんにもかかりにくくなったり、子宮内膜症や乳腺症などの予防などにも効果があることがわかっています。

【番外編】生理に関するオトコの疑問Q&A

毎月女性が大変なことはわかっているけれどオトコだって気を使ったり、疑問に思うことがあるんだ!

【Q】生理って何日くらい続くものなのですか?その間、ずっと痛みは続くんですか?

【A】平均的な期間は3~7日くらいで、2日目に経血量と痛みが最大限に!

生理の期間は人によってそれぞれですが、平均的な期間は3〜7日間。子宮の出入り口はとても狭いため、剥がれ落ちた子宮内膜などが通るのに、子宮の収縮とともに痛みを伴ってしまうのです。一般的に2日目の経血量がいちばん多く、それに伴う痛みも強くなります。

【Q】イライラしたり、気分が落ち込んだり、オトコにも生理があるのでしょうか?

【A】男性に生理はありません。もしかしたら更年期障害のせいかも!

周期的にイライラするほか、倦怠感や集中力の低下、性欲の減退などを感じる男性が増え、「男性にも生理がある?」と一部でいわれていますが、答えはNOです。だれしも体の状態は常に一定とは限りません。もし、定期的に感じる症状があれば、「男性性腺機能低下症候群(LOH)」かもしれません。専門医の受診をおすすめします。

【Q】生理になると不機嫌になる妻。正直、どう接したらいいのかわかりません。

【A】精神的に不安定になっている女性には優しく接することが鉄則です。

まずは、女性の生理のしくみや生理のときに起こる精神状態の変化を学んでおく必要があります。そもそも男性は、高校時代の「保健体育」で得たくらいの知識しかないはずです。
2人で妊娠を望むのであれば、男性と異なる女性の体のメカニズムをきちんと理解しておくことが大切です。生理中のイライラで、けんかしないよう我慢も必要です。

【Q】生理中だとわかっていても我慢できないときはセックスをしてもいいですか?

【A】生理中のセックスはリスクがいっぱい!避けましょう。

生理中の腟内はとてもデリケート。挿入によって腟内が通常よりも傷つきやすい状態です。免疫力も低下するため、傷ついた部分から、「クラミジア感染症」や「淋病」にかかりやすくなるリスクが増大。
さらに、性交渉中に経血の逆流が起こり、子宮内膜症につながることもあるなど、生理中のセックスはリスクが多いので避けましょう。

■監修/宮﨑薫 先生

●イラスト/itabamoe

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

 

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この記事のキュレーター

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