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豪田トモ「子育てでパパが最も活躍できることは、ママのサポート」 〜命と家族について考えよう Vol.6〜

「子どもは親を選んで生まれてくる」という胎内記憶をモチーフに、4組の夫婦の物語を通して「自分たちが生まれてきた意味」や「家族の絆」「命の大切さ」「人とのつながり」を考えさせられるドキュメンタリー映画『うまれる』。シリーズ2作目『ずっと、いっしょ。』に続き、3作目に向けて動き出した豪田トモ監督は、現在、保育園に通う娘の育児に積極的に関わっている。そんな豪田監督に、ご自身の出産・育児経験も含めて、「命」や「家族」について語っていただきました。

第6回目となる最終回は、子育てにおいて、パパがママをサポートすることの重要性についてお話をしていただきました。

子どもの笑顔を見るのは、ハレー彗星を見るより貴重

前回、ママが本当にパパにやって欲しいことを3つ挙げました。

そのなかで、「なるべく一緒にいて欲しい」というのを1番目に挙げました。しかし、前にも言いましたが、多くのパパは、ママになるべく一緒にいてあげようと思っても難しいものです。

そんな時に僕は、よく「今だけ」という言葉を使います。

産まれたばかりの赤ちゃんは、最初はふにゃふにゃとしていて、まったく無防備な存在で歩けません。 やがて、ハイハイをするようになって、つかまり立ちができるようになったり、少し歩けるようになったり、自分が言った言葉に反応してケラケラ笑ってくれるようなったり……。そうやって、日々、成長していく姿を見られるという期間は、本当に人生の長い局面のなかで捉えて見れば、ほんの一瞬と言ってもいいくらい、本当に貴重な時間なのです。

だから、全ての瞬間が、「今だけ」しかないんですよね。 僕は、そんな時期というのは、ハレー彗星を見るよりも短い一瞬しかないと思っています。ハレー彗星を見る、見ないで盛り上がるよりも、わが子のその瞬間の笑顔を見るほうが、遙かに貴重なのではないか、と思うのです。

だって、わが子は、明日はまた、違う笑顔になっているのですから。大げさな言い方かもしれないけれども、毎日、どんどん成長していっているのです。 だから、本当に今のこの瞬間というのを、大事にしていかないといけないんじゃないかと思います。

なんせ、人生は有限ですからね。そう、考えると、ちょっと飲み会などは控えめにできるんじゃないかなって、僕なら思います(笑)。

無駄な飲み会は控えて、ママのそばにいる時間を増やそう

僕はもう、娘が産まれてからは、完全に飲み会を控えるようにしました。飲み友だちがどんどん減る一方ですが(笑)、それでも、何回もハレー彗星を見るよりも貴重だと思える娘の笑顔を見られるほうが、やっぱり、価値があると思うのです。

しかも、飲み会って、けっこう同じ思い出話をリピートすることも多いじゃないですか(笑)。酔っ払ったりすると、特にその傾向は増していきますからね。「また、その話かよ!」って突っ込みたくなることしばしばで、よく考えてみれば、無駄な時間だったりすることもけっこう多いものです。

よくよく考えてみれば、そういう旧知の仲の友だちとの飲み会って、それがひさびさの再会だったとしても、だいたい1時間くらいで話すことはもう、終わっているんですよね。

その後はだいたい、惰性で同じ思い出話がループしちゃったりする、という感じ。(もちろん、楽しいんですが(^^;)だから、なるべく飲み会は控えるようにして、早く家に帰って、ママのそばにいてあげるようにするということが大事だと思っています。

 

人生において、子どもと接する時間は……

娘が生まれてから、しばらくしてのことだったと思いますけれど、僕は、自分の人生で子どもと一緒に居られる時間というのをパーセンテージで表したら、どれくらいになるのか、計算してみたことがありました。

おおよその数字ではありますが、僕の場合、娘といられる時間は、たったの4%程度だったんですね。自分の人生のなかで、子どもと一緒に過ごす時間ということです。 1日は24時間で、僕が0歳から80歳くらいまで生きるとして、すべての時間のなかで、娘が0〜1歳になる頃までは、ほとんど夜も含めて家にいたので、90%くらいは、娘と一緒に過ごしていたということになります。

ところが、保育園に通うように通うようになると、いきなり、一緒に過ごす時間が減ります。だいたい、4時間くらいになります。来年、娘は小学校に入学するのですが、おそらく、一緒にいる時間は少し減って、中学生になると、さらに減っていくことになるでしょう。

そうやって、娘の成長と共に反比例させながら、自分なりに娘と一緒に過ごすだろう時間を合計してみて、それを、自分の人生のすべての時間で割ってみたところ、だいたい4%という数字になったわけです。

この数字を多いと考えるのか、少ないと考えるのかは、人それぞれだとは思いますが、僕は、この数字を見た瞬間に「ああ、4%しかないのか……」と思いました。僕は、会社員をやっているパパたちよりは、わが子と過ごす時間は多いほうだろうから、これが、平日は遅い帰宅で、週末しか子どもと過ごす時間がないパパであれば、もしかしたら、この数字は1%くらいになってしまうかもしれません。

これって、本当にもったいなあ、と思うわけです。子どもというのは、自分の人生をさらに彩ってくれる存在であるハズなのに、たった1%と聞くと、なんともったいないことなんだろう、と思ってしまいます。

なかには、夏休みなど、長期休暇にタップリ子どもと遊べばいいや、と考えることもできますが、中学生ともなると、部活動などで忙しくなったりして、なかなか長期の家族旅行といったことも難しくなります。

そう考えると、子どもとたっぷり一緒に過ごせる夏休みというのは、10回程度しかないのです。3歳くらいまでの旅行は、存分に楽しんだとしても、子どもはすぐ忘れてしまいますし(残念。。。)、記憶に残りません。中学生までの夏休みというのは、10回程度しかないから、本当に大事にしないといけないなあって思うようになりました。

パパの育児には、2つのベクトルがある

これまで、娘が産まれてから妻と共に育児をしてきて思うのは、やはり、パパとママでは役割が違うということが育児に関してはあるんだ、ということです。

もちろん、様々な家庭があるので、この話はあくまでも一般論ではありますが、パパとママが同じことを育児に関してやっているのでは、もったいないと思うんです。

個人差はもちろん、ありますが、それぞれのパパとママの特性を活かして、子育てをすべきだと思います。 つまり、パパがより、子育てに貢献するためには、「なるべくママと一緒にいてあげる」とか、「愛情表現をする」、「話を聞いてあげる」といった3つのことをできるだけしてあげるべきではないかと思います。

つまり、ママのサポートをしっかりやるということは、パパ自身が子育てをしっかりやるためにも、すごく大事なことなんだと思うんです。

パパには、オッパイがありません。だから、どうしても、子育ての中心はママにならざるを得ないわけです。特に子どもが小さいうちは、ママに活躍してもらわないと、パパは困ります。

ママに存分に活躍してもらうためには、ママの精神状態を安定したまま保ってもらえるようにしていかないといけないわけです。 だから、パパは愛情を伝えるようなことをしっかり実行しないといけないのです。

ママが愛情に欠乏した状態になってしまい、育児ストレスを抱えて余裕がなくなったりすると、やっぱり、子どもに愛情を伝えられないといった状態に陥ってしまいます。

そういう意味では、パパの育児には、子どもとママという、2つのベクトルがある、と言っていいのだと思います。

それを理解してもらわないと、男の育児はうまくいかないのではないでしょうか。 この話をだんなさんにした時、「なんでそこまでしないといけないの?」というパパがいたら、「ママをサポートすることは、夫である“パパの特権”だと」伝えてください。

これは、他の誰かが、代わりにできることではないんですよね。 オムツ交換だとか、ごはんを食べさせるとか、お風呂に入れるといったことは、保育士さんでもできるし、ばあばでも、シッターさんでもできます。

でも、ママの精神的なケアやサポートという点に関して、最大の効果を発揮できるのはパパなんです。

逆に言えば、子育てにおいて、パパが最も活躍できる場面というのは、ママのサポートだと言えるでしょう。もちろん、この活躍できる場面を他の男にやられてしまうと、かなりマズいことになりますけどね(笑)。

ママのサポートをすることこそ、パパにとって、子育てで一番、活躍できる場なんだということを理解してもらえると、きっと、パパは変わってくれると思います。こんな話を、一度、夫婦でジックリ話してみることをオススメしたいと思います。

この記事のキュレーター

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映画監督・豪田トモ(ごうだ とも)。1973年東京都生まれ。6年間のサラリーマン生活を経て、29歳でカナダのバンクーバーにわたり、4年間長年の夢だった映画製作の修行をする。帰国後、フリーランスの映像クリエイターとして、テレビ向けドキュメンタリーやプロモーション映像などを制作。2010年、「命の原点」を見つめて家族の絆や生きることを考えるドキュメンタリー映画『うまれる』が公開され、2014年、同シリーズ2作目となる『ずっと、いっしょ』も公開された。著書に『うまれる かけがえのない、あなたへ』(PHP出版)、『えらんでうまれてきたよ』(二見書房)がある。現在、6歳になる娘の父。映画『うまれる』公式サイト(http://www.umareru.jp/)
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