20代から始める「働き盛りにぴったりのお手軽投資術」

前回は若手社会人の皆さんに、お金の貯め方をお話ししました。今回は、働きざかりの皆さんに向けて、預貯金から一歩進んだ投資のアドバイスをお話ししたいと思います。

お金を増やしたいと思ったら、働いてしっかりとお給料をもらい、それをコツコツ貯めるのが一番の基本です。でも、それだけは今の時代、残念ながらお金を増やすことはできません。 その理由は低金利。

今の普通預金金利はなんと0.001%。今の金利でお金を2倍に増やすためには、なんと約72,000年の歳月がかかります(複利運用をした場合)

0.01%の金利がつく定期預金金利でも、約7,200年がかかるのですから、気が遠くなる話です。

 

もしもの備えは預貯金で用意、老後資金は投資で準備

預貯金のいいところは、必要な時にすぐにお金を引き出せる「流動性」と、元本割れをしない「安全性」にあります。

そのため、日々の生活費や、病気やケガへの備えなどは預貯金でおいておく必要があります。ただし、先ほどもいったように、いまは驚くほどの低金利ですから、銀行にお金を預けておくだけではいつまで待ってもお金が増えてはいきません。

それに対して、投資のいいところは、「増える」可能性があるところ。老後資金のようにすぐに使わないお金や、もしも減ってしまってもすぐに生活に支障がない余裕資金は、増える可能性に期待して投資に回すことができます。

日経平均株価という言葉をニュースなどでよく見聞きすると思います。この日経平均株価とは、東京証券取引所に上場している、トヨタやソニーのような日本を代表する大企業225社の株価を平均した値です。

日経平均株価は、日本企業の景気の良し悪しを示す代表的な指標として使われています。 たとえば、2012年6月末の日経平均株価は9,006円でしたが、4年後の2016年6月末の日経平均株価は15,575円です。

もしも4年前に日経平均株価に連動する金融商品に投資をして今年の6月末に売却をしていたら、お金の価値が73%増加したことになります。

預貯金でのお金の増え方と比べると夢のような増え方ですね。 しかし、こんなこともあります。先ほどの人よりも3年遅い2015年6月末に日経平均株価への投資を始めたとします。

このときの株価は20,235円でした。そして1年後2016年6月末に先ほどと同様の15,575円で売却した場合、23%損をしたことになります。

このように、値上がりすることもあれば、値下がりすることもあるのが投資です。そのため、近い将来に必ず使うことが決まっているお金は投資に向きません。

しかし、当面使う予定がないお金を元手にして、価格が下がったときに購入してゆったりと値上がりを待つことができたなら、老後に向けてお金を増やしていける可能性が高まります。

 

働き盛り世代におすすめの「投資信託」のメリット3つ

最近では、店舗を構える証券会社だけでなく、銀行やインターネット上でも手軽に金融商品の売買をできるようになっています。 投資対象となる金融商品には、株式投資、債券投資、外貨投資、投資信託などいろいろなものがありますが、若い人が老後に向けて資産運用をしたいと考えるなら、投資信託をおススメします

 

メリット1:プロに投資をお任せできる

投資信託は、株式や債券などを組み合わせたパッケージ商品です。「投資を信じて託す」というその言葉のとおり、ファンドマネージャーという投資のプロが、投資家に代わって投資対象や売買のタイミングを決め、投資を行います。

それぞれの投資信託には目論見書というルールブックのようなものがあるので、投資家はそこに書かれた投資目的や投資対象の範囲、手数料、過去の運用成績などを見ながら、その投資信託に投資をするかどうかを決めることができます。

 

メリット2:少額から積み立て購入できる

投資信託は証券会社や証券を扱っている銀行等で1万円前後から購入することができます。利用する金融機関によっては、1,000円単位から購入できることもあります。

株式投資や債券投資に比べると、少額から始められます。さらに、ひとつの投資信託のなかで、国内外の株や債券などさまざまな投資対象に分散投資されているので、リスクが比較的抑えられるという利点があります。 さらに、投資信託は毎月同額ずつ積み立て購入することができます。

投資信託にも値動きがありますが、毎月積み立て購入をすると、価格が上がったときには少なく、価格が下がったときには多めに購入できます。その結果、購入価格を平均化できるため、「高い時にたくさん買って損した!」という事態を避けることができます。

 

メリット3:配当金と売却益を期待できる

投資信託の利益は、配当金と売却益です。配当金は投資信託の運用で出た利益を投資割合に応じて分け合う意味合いのものです(預金の利息のようにあらかじめ約束されているものではありません)。

また、投資信託の値段も常に変動していますので、購入額よりも高い値段で売却できたら売却益を得られることになります。 貯金をして、当面使う予定がない元手ができたら、手軽に始められる「投資信託」で老後資金をためてみてはいかがでしょうか。

 

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この記事のキュレーター

ファイナンシャルプランナー・ハートマネー代表。子育て主婦、FP会社役員を経て、2010年より現職。個人相談、講演、書籍執筆等を通じてマネー・ライフプランの知識を普及している。「いちばんよくわかる!結婚一年生のお金」ほか著書多数。「人とお金を最大限に活用した私らしい暮らし」を研究すべく、2016年よりお茶の水女子大学大学院に在籍。


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